真ちゃんは基本的に意地っ張りでツンデレである。好きなものを素直に好きと言えないような奴なのだ。
そんな真ちゃんとは対照的に、オレはどちらかというと素直な方だと思っている。欲しいものは欲しいと言えるし、好きなものは好きだと言える。てか言う。
例えば、バスケが好き。体を動かすことが好き。キムチが好き。カードゲームが好き。
真ちゃんが、好き。
やっぱ好きなもんは好きじゃん。それの何が悪ィの?
「緑間ァ」
「なんなのだよ」
「好き」
「…そうか」
「大好き」
「っ、」
「愛してるよ、真ちゃん」
真ちゃんがオレのことを信頼してくれてるってわかってる。真ちゃんがオレのことを好きでいてくれてるってわかってる。
それでもたまには言葉にして欲しいなあ、なんて思わないわけじゃない。わけじゃない、けど。
真ちゃんが自分の性格上素直になれないことは本人も自覚してるし、オレだってもちろんそんなこと理解してる。
だから、真ちゃんのペースに任せよっかな、って。
オレはいつまででも待ってるからさ。
「あっは!」
「な、なんなのだよ」
「いやいやー。オレってつくづくお前にベタ惚れだわと思って」
「なっ、お、まえ…!」
「つーか、腹減ったなあ」
ゆっくり、真ちゃんのペースで近寄ってくれれば。
「高尾、」
「ん?どったの」
「お、」
「お?」
「オレも、なのだよ」
それは何に対しての同意だったのか。
悪いけど、都合よく受け取っちゃうぜ、真ちゃん!
▼フォロワさんからシチュお題いただいたので