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今夜も君は疲れた顔をして帰ってきた。
君はドアの前で君の帰りを待つ俺を見つけると、抱き上げて頬ずりをして、ただいま、って言う。
君は決して言わない。
悲しい顔をする理由も涙を流す訳も。
どうしたの?って訊くと、慰めてくれてるの?って泣きながら笑って俺の頭を撫でる。
そういう時俺はとても歯痒い。
だって俺の前足は短すぎて、君の頬を濡らす涙を拭うことができない。
だって俺の体は小さすぎて、震える君の肩を抱きしめることができない。

こんなちっぽけな俺じゃ、君と悲しみを分け合えない。


ねぇかみさま、
もし本当にいるのなら俺の一生分の願いをきいて。

俺は


にんげんになりたい。
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