悪趣味
「はははは、!」

ずっと、殺したくて殺したくて、この戦で今度こそ殺してやろうと、待ち構えていた。
こいつも俺といい加減決着をつけようと思っていたのだろう。
すんなり現れて、いつもの飄々した雰囲気でなく、真剣な顔をして「殺せるものならやってみな」そう言って武器を構えた。
俺はやっとこいつを、殺せるのかと思うと、心が満たされた気がした。

佐助と刃を交えてどれくらい経ったのだろうか、長いこと戦ってた気もするし、短い気もした。
ただただ、楽しかった。
佐助の攻撃は的確に俺を追い詰め、俺の体は少しずつ赤く染まってゆく。でもそんなのどーでもよくて、闇雲に苦無を振り回した。そして俺の無茶苦茶な戦い方が佐助の予想を上回ったらしい。
「な!っ、」
一瞬の隙を逃すわけなく、俺は佐助に苦無を刺して、抉ってから、苦無をぬいてまた刺した。
「....おい、なに寝てんだよ。喋れよ、何時もみたいにその軽い口を動かせ」
「...誰が、こうしたと思ってん、の」
「俺。」
うん、俺がこーして、佐助を追い詰めたのかと思うと満たされた。
「なぁ、もっと俺と遊べよ」
「なまえ、お前って...ほんっと、めんどくさいね」
俺様が居ないと張り合う相手も居ないの?なんて馬鹿にするような感じで笑って言われても、肩で息してる奴にムカつかない。
むしろその言葉は少し納得した。
「...そーかもな、だからはやく、俺とまた戦え」
「俺様だって、忙しいんだけど...」
「めんどくせーけど、お前の本陣近くまで運んでやるよ、んでその失態見せびらかしてやる」
「趣味悪いね、なまえだってぼろっぼろのくせに」
「お前よりマシだ」

さて、また殺しあいをしよう、佐助。
お前との戦いが一番楽しいんだ。




戦うことで満たされる危ない系主


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bkm
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