田中太郎さんが入室されました

田中太郎【あれ?】

田中太郎【珍しく誰もいないんですね】

甘楽さんが入室されました

甘楽【こんばんわッ☆】

甘楽【あれ、田中太郎さんだけなのかな】

甘楽【二人きりですね!キャー!】

内緒モード 田中太郎【あのー、臨也さん】

内緒モード 甘楽【…華麗にスルーしてくれたね】

内緒モード 田中太郎【ちょっと聞きたいことがあって】

内緒モード 甘楽【ん?ダラーズなら特に動きは無いはずだけど】

内緒モード 田中太郎【いや、プライベートな事で。】

内緒モード 田中太郎【あの、臨也さんって人間が好きって聞いたんですが】

内緒モード 甘楽【何かと思えば…そうだね。人間は好きだよ】

内緒モード 田中太郎【…じゃあ僕は?】

内緒モード 甘楽【そうだね、好きだよ】

内緒モード 田中太郎【…複雑です】


甘楽【ちょっとお風呂に入ってくるので落ちまーす☆】


内緒モード 田中太郎【あっ!】

内緒モード 田中太郎【最後に一つだけ】

内緒モード 田中太郎【いいですか?】

内緒モード 甘楽【いいよ、何】

内緒モード 田中太郎【静雄さんは?】


セットンさんが入室されました

セットン【ばんわー】


内緒モード 田中太郎【静雄さんは、好きですか?】


セットン【あれ?】

セットン【皆さんROMですかね】

セットン【待機します】


内緒モード 甘楽【シズちゃんは大嫌いだよ?】

内緒モード 田中太郎【…そうですか】

内緒モード 甘楽【じゃあね】





ふうとため息をついてノートパソコンの画面を眺める。管理者である甘楽ー臨也は退室しようとしまいとチャットルームの様子を見る事ができる。チャットルームではセットンーセルティと田中太郎ー竜ヶ峰帝人が会話に花を咲かせていた。
もう波江は帰ってしまったので、だだっ広い事務所、兼自宅はしんとしている。時々外からのバイクの音やらが響いてくるが、高級マンションだけに防音が効いていてあまり気にならない。それよりも気になるのはー…

『静雄さんは、好きですか?』だってさ。

竜ヶ峰帝人。やたらと仰々しい名前を持つダラーズの創始者の彼が俺に友情とか尊敬以外の好意を寄せていることは知っていた。

シズちゃんなんか大嫌いに決まってるじゃん。

イスの背もたれに体を預け、パソコンの画面をなんとなく見やる。いったん目を離したチャットルームは帝人だけになっていた。臨也は退室はしていないので、正確には二人だが。そして帝人しかいないチャットルームで、臨也に向けてのメッセージが書き込まれていた。



内緒モード 田中太郎【臨也さん】

内緒モード 田中太郎【どうせお風呂なんか入ってないですよね?】

内緒モード 田中太郎【僕に勝ち目は無いようなので言いますけど】

内緒モード 田中太郎【早く気付いた方がいいと思いますよ】

内緒モード 田中太郎【意地ばっかり張ってたらそのうち愛想つかされちゃいますよ】


挑発するような言葉がぽんぽんと浮かび上がる。人のことは言えないが本当に性格悪いな、と思いつつもこのままでは言われっぱなしなので反撃しようとキーボードを叩く。


内緒モード 甘楽【ケンカ売ってるの?】

内緒モード 田中太郎【まあ、臨也さんのそういう素直じゃないところはすごく魅力的だとも思いますけど】

内緒モード 甘楽【は?】

内緒モード 田中太郎【ああ、やっぱり風呂じゃなかったんですねw↑は挑発の続きです】

内緒モード 甘楽【俺を挑発してどうしたいの】

内緒モード 田中太郎【いやいや、僕は臨也さんを応援したいんですよ】

内緒モード 田中太郎【それにはまず臨也さんが素直にならなきゃだめなんですよ】

内緒モード 甘楽【俺は素直だよ?】

内緒モード 田中太郎【本当ですか?】

内緒モード 田中太郎【本当に欲しいものに素直になれてますか?】

内緒モード 甘楽【…なにが言いたい?】

内緒モード 田中太郎【静雄さんですよ】

内緒モード 甘楽【…またシズちゃん?】

内緒モード 田中太郎【静雄さんは大嫌いなんですよね】

内緒モード 甘楽【そうだね】

内緒モード 田中太郎【僕も正臣も、セルティさんも皆好きなんですよね】

内緒モード 甘楽【そうだね】

内緒モード 田中太郎【まだ気付きませんか?】

内緒モード 甘楽【回りくどいなあ】

内緒モード 甘楽【率直に言いなよ】

内緒モード 田中太郎【本当は言いたくないんですが】

内緒モード 田中太郎【まあ、言わなきゃ何も始まらないので…】

内緒モード 甘楽【焦らすな!】

内緒モード 田中太郎【はいはいw】

内緒モード 田中太郎【臨也さんは静雄さんが好きなんですよ】



静雄さんが好き、

黒い背景に浮かんだ文字を見て、キーボードを滑らかに動いていた手が止まった。


内緒モード 田中太郎【静雄さんと他の人間には絶対的な差がある。静雄さんだけが特別なんですよ、臨也さんの中で】


いや、違う。そんなはずはないのだと頭ではいくらでも反論できたのだが、残念な事に固まった俺の指は動いてくれない。


内緒モード 田中太郎【それって、凄くうらやましいです。俺にとって】

内緒モード 田中太郎【臨也さん?】

内緒モード 田中太郎【最後に良いこと教えてあげますよ】

内緒モード 田中太郎【愛の反対は無関心】

内緒モード 田中太郎【じゃあ静雄さんと臨也さんの、お互いの執着って何なんですかね?】

内緒モード 田中太郎【じゃあ、おやすみなさい】


田中太郎さんが退室されました






甘楽【俺が】




甘楽【シズちゃんをなんて】




甘楽【そんな事があるわけない】


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