若干のバイオレンス気味エロあり^^苦手な方ご注意
虫刺され
組手をした。
そこまではよかった。
限界まで疲労した身体を休めるのに、川の近くの、草が生えているところなんかで寝っ転がっていたのが間違いだったのだ。
「おめぇ、腫れるんだなあ…。」
同じような格好で、ほぼ同じ時間同じところに居たはずなのに、数えてみればベジータの傷跡の数は悟空のちょうど倍であった。
ぷっくりと赤く腫れたそれは、痒みを伴う。
露出していた腕は勿論、薄い生地でできている戦闘服の上からも刺されてしまい体中がむず痒い。
とりあえず川から離れたところには来てみたものの、皮膚のそこかしこで炎症が起きているせいか身体が少し熱っぽくなっていた。川の近くよりも乾燥した、草丈の短い野原に腰を下ろし、ベジータは自分の腕をじろじろと観察する。
「……チッ……」
「オラは慣れてっからなぁ。」
あっけらかんと言い放つ悟空は、腫れるどころか、よく見なければどれが虫刺されかすら分からない。
同じ人種だというのに、どうしてこんなに違うのだろう。
ぱんぱんに腫れた虫刺されを掻きながら、ベジータが忌々しそうに舌打ちをする。
「下級戦士の貴様の血と違って、王子の俺は血も旨いということだな」
「でも本当に見事に刺されまくったなぁおめぇ…」
「貴様のような山育ちの野生児とは違うんだ」
「肌が白ぇから、赤くなって目立っちまうんだな。にしても、オラの倍くれぇ腫れてっぞ?」
成り立っているのか怪しい会話を交わしながら、悟空はそっとベジータの腕の虫刺されに触れる。
硬い指先の感触に、ベジータは小さく顔をゆがめた。
「あっちくなってる」
「うるさい。痒くなるから触るな」
「うーん、あっ、ちっと待ってろよ」
「…あ?」
そのとき、突然悟空は立ち上がると、きょろきょろと辺りを見回した。あのへんかな、と言いながらいかにも虫が居そうな、少し離れた草の中にガサガサと入り込んでいく。
何か虫刺されに効く特効薬のような草でも知っているのだろうか。
だとしたら、野性児もなかなか使えるところもある。
すぐに草の中から戻ってきた悟空は、何やら口をもぐもぐさせていた。
瞬間、果てしなく嫌な予感にベジータの眉間に皺が寄る。
「ほら、こいつをつけると痒くなくなんだ!昔、じっちゃんに教えてもらった」
悟空は持ち前の明るい笑顔のままで、口の中からべったり唾液のついたおぞましい葉の塊を指でつまんでこちらに差し出した。
噛み潰されて緑色の何かに成り果てているそれが目の前に来ると、ほとんど本能的に身体が後ずさる。
「ふっ……ふざけるなっ!!そんな汚ならしいもんを付けるだと?!死ね消えろクソッタレ!」
露骨に拒否反応を示すベジータに、悟空はいかにも不満そうに口を尖らせた。
「イヤなんか?効くのによぅ」
「そんなもん付けるくらいなら痒みに耐える方がマシだッ!」
「ワガママな奴だなあ…せっかく持ってきたのによ」
「貴様はもう少し常識を身に付けやがれ!」
「しょうがねぇな」
ぺろり。
「!?!?」
ベジータの脳が一瞬その事態を理解するのを拒否していたせいで、相手を突き飛ばすという重要な反応が完全に遅れた。
緑色の物体をまた口に含みなおした悟空が、腕に点在する虫刺されをぺろぺろと動物のように舐め始めたのだ。
「なっ、なにしやがる…!」
「だって、おめぇ、舐めるのは嫌がんねぇだろ?」
「…それとこれとは違うだろうがクソッタレぇぇ!!」
今になってベジータが彼を押し返そうと躍起になっても、もつれあっているうちにだんだん馬乗りになってまで虫刺されを執拗に舐め続ける悟空との体格差と体勢のせいで、逆に押し倒されたような格好になってしまう。
そしてこの空気を読めない男は、おめぇ脚も刺されてんだろ!とズボンを引きずりおろしたのだから始末に負えない。
「なっっっやめやがれこのバカ!!」
服の上からも刺されていた太股を、ねっとりと熱い舌が這う。
下着の近くぎりぎり内側にあった小さな虫刺されを見つけた悟空が、つつくようにそれを舐めたとき、思わずベジータの体がびくっびくっと震えた。
(なっ…何なんだっ……!!)
顔が真っ赤に熱くなる。きわどいところを舐められて、くすぐったいような気持ちいいような、そしてあらぬところに熱が集まるのを感じる。
絶対に、こいつはそういうつもりではない。間違いない。
それなのに、頭に浮かぶのはこの男に抱かれるときの屈辱的な記憶であり、自分の股間近くにある蟹頭の吐息がかかるたびに体の力が抜けて行くような気がする。
絶対に、こいつは、そういうことを考えているわけじゃない。
絶対に違う。
もし気づかれたら。
「なぁ、ベジータぁ…」
不意に、悟空が顔を上げた。
一気に緊張して顔が引きつる。どきんどきんと心臓が鳴っていた。
「……ぁ、…なっ、何……」
彼はまた股間近くに顔を埋めると、あろうことか下着の上からかぷりと半勃ちの陰茎を食んだ。
予想外の刺激にビクリと腰が揺れる。
どうしよう、気付かれていたんだ、やっぱり。
あまりの恥ずかしさに息をするのさえ苦しくなる。
「…っあ…!」
「おめぇ、えろい……」
「ッどっちが……っ!」
「なぁなぁ、」
布の上から甘噛みしていた悟空は、ぺっ、と口の中に留めていた草の塊をそのあたりに吐き捨てる。
抵抗を忘れていたベジータの下着をそっと下ろすと、ぷるんと顔をだした陰茎に舌を這わせはじめた。
「ん、あっ、…おまえっ…そ、んなとこ、刺されてな……!」
「……うん、知ってる」
彼は何の抵抗もなく、それを口にくわえた。
耳まで赤くしたベジータは、声を出すまいと、手袋に包まれた手で自分の口を塞ぐ。
こんな、ベッドもなんにもない野っぱらで。
こんなことをするなんて。
しかも、経緯が経緯だ。
それなのに、快感に従順な体は悟空の動きに合わせてゆるゆると腰をすりつける。
口全体で喉の奥までくわえて舌を絡ませられ、ちゅぱちゅぱとこの清々しい野原に相応しくない粘着質な音がする。
手袋を噛みながら、頭を横に振った。
いやだ、こんなとこで何で、いやだ、でも気持ち良い。
「ふぅ、うう…ぅ……」
悟空が不意に顔を離して、ゆっくりとベジータの上に覆いかぶさってくる。
ぎゅっと目を閉じていたベジータがそれに気付いてうっすらと目を開けると、性的な興奮にぎらぎらした悟空の漆黒の瞳と目が合った。
「なぁ、やろうぜ、ベジータ。」
ああ、何で今更そんなことを口に出しやがる。
押し返そうとベジータが両手を彼の肩に置いた瞬間、やわやわと玉を揉まれ、上の服を捲りあげられてぴんと立った乳首を齧られる。
「んぁ…っ!このッ…万年発情猿がっ…!」
「だって、おめえが色っぺえから。」
「人のせいにしやが、っひゃ……!」
「ベジータ…」
興奮した悟空の瞳が、翡翠の緑色を帯びた。
「…!」
その変貌に気づくも、それを止める術は持ちあわせていない。
ざわり、と金色に変わる髪に目を奪われる。
「カカロット…!?」
「やめろっつっても、止まんねぇかんな。」
攻撃的な表情。
普段優しい悟空が欲望に忠実な獣となる瞬間、ベジータはそれが一番好きだった。
たまらない。
ぞくぞくと駆け上がる快感。
そんな動物的な目で、そんな強引な仕草でそんな台詞吐かれたら、抵抗なんてできるはずもないのだ。
その唇が開き、ベジータの腹からもう一度ゆっくり太股に降りて行く。
舐められる感触に耐えていると、突然痺れるような痛みが走った。
「ひっ…!い、イッ…!」
「こんなに刺されちまって……オレのベジータなのによう」
「か、噛むなッ、痛いっ!」
「痒ィんだろ?じゃあちょっとくらい痛くしたほうが、痒くねぇぞ?」
「何言っ……――!」
ガリッ、と強く噛まれて、太股の皮膚を盛り上がらせていた虫刺されにぶつりと穴が空く。
もともと掌ほどの大きさにぱんぱんに赤く腫れあがっていたそこを潰すように咬み千切られ、神経が痺れるほどの痛みに声もなくビクンと体がのけ反った。
「うん、ベジータの血ィ、うめえもんな……。虫なんかに吸わせんの勿体ねぇ」
「…っ、カカロッ、ト……?」
「なあ、オレにも吸わしてくんねぇか?」
「き、貴様……気でも違ったのかっ?!」
「なあなあ、良いだろ。虫に吸わして、オレには吸わしてくんねぇのか?」
「………」
両手をぐいと一纏めにされ、骨が軋むほど強く握られる。
手首に痣が残るな、と頭の片隅で思ったが口には出さなかった。
冷たい翡翠の双眸が近づいてきて、首筋に唇の感触。
ゆっくり降りて、なだらかに肩に行く少し手前で、思わず声が出るほどの痛みに背中が仰け反った。
「アぁ…ッ!」
皮膚を咬み千切られ、どくどくと血が溢れていくのがわかる。
ちゅうちゅう、下品な音を立てながら、それを一滴残らず吸いとっているカカロットの金髪が頬に触れる。
濃厚な鉄臭いにおいに、頭がくらくらした。
焼けるような痛みはあっという間に麻痺して、あとは熱いカカロットの唇と、吸われてひんやりする首筋と、力が抜けていく全身と。
ああ、カカロットに、吸われてしまう。
「あぅ……」
恍惚とした表情でゆっくり目を閉じるベジータがされるがまま身体の力を抜いても、悟空はしばらくそこから離れようとはしなかった。
ぺろり、口の周りについた血を舌でねっとり舐めとり、傷に溢れる血をぺろぺろして咬み傷をつつきながら、その片手でベジータの陰茎に触れる。
痛みですっかり萎えていたそれを、ゆっくりゆっくり扱き始める。
ぞくりと、今まで痛みばかりを訴えていた神経に別な刺激が加わって、ぴくんと腰が跳ねた。
痛みと快楽がないまぜになって、何が何だか分からない。
「ふぁ、ん、あっあっ」
「なんだぁベジータも気持ちイイんかぁ…」
「うぅ…!」
傷をつつかれながら、熱く固くなったそこを悟空の大きな掌と指先で嬲られるのは想像以上の快感だった。
もっと触ってとばかりに腰が勝手に動き、開きっぱなしの口からは鼻に抜けるような嬌声がだだ漏れになる。
「あ、はぁ、あ、」
「ちょっと痛ぇほうが気持ちイイって、最初から言ってくれよ……、なぁ?オレ、知らねぇもん」
「う、あ…カカロッ……、」
思考能力が奪われていく。
それでも、目の前の男に自分だけが乱されていくのは不愉快だった。
自分ばっかりこんなに気持ちよくなって、痴態を晒しているというのに。
「くれよ、…なぁ、カカぁ…っ、」
俺の中にお前のをくれよ、と。
囁くように、跳ねる吐息の中に言葉を乗せると、悟空の唇がゆっくりと三日月形に歪んだ。
「欲張りだなぁ、おめぇ」
悟空は、ベジータの小さな口の中に節の太い指を突っ込んだ。
むぐ、と苦しさに顔をしかめるのも構わず、よく舐めろな、と言って、指で舌を摘まんで、口の中を蹂躙する。
「んっ、んぐ…う…」
「でも、オレもそろそろ、入れてぇなって思ってた」
唾液で濡れた指先を引き抜き、細い腰を片手で少し持ち上げる。
下の口に中指が当たり、ゆるゆると擦られると体が震えた。
すでにひくついていたそこは、ぬめる中指の第一関節までを簡単に飲み込む。
つぷん。
そのまま、一気に奥まで指が入って、何とも言えない感覚にベジータは顎を引いて身体を緊張させる。
「ひ……」
「痛ぇか?」
ゆっくりと首を横に振る。
どちらかというと、首筋の傷が今更になってズキズキと痛みを訴え始めていた。
いつもの悟空のように少し優しい目をしていたのでほっとしたのも束の間、金髪の彼は直後に笑顔で恐ろしい台詞を口走った。
「あっ、そうだった、おめぇ、いてぇほうがイイんだっけ」
さっさと指を抜くと、ぐい、と両手で腰を持ち上げて、凶悪な肉棒をそこにあてがう。
指一本しか、しかもほんの数秒しか入っていなかったそこは、ほとんど解れていない上、濡れているのは入口付近だけだ。
今度は快感ではなく恐怖で背筋が凍りついた。
「な……!む、無理だやめっ…」
「無理じゃねぇだろぉ、いっつもうまそうにくわえこんでんじゃねぇか」
「だっ、ああ、アうぅうッ!!」
めりめりと音がした。
悲鳴を抑えることもできず、大声で喚いた、それでも身体を裂かれる痛みは止むことはない。
引きちぎれる孔から、血がぬるりと出た瞬間にその痛みは一気に痺れて感覚を無くしていく。
あとに残るのは、強烈な異物感と内臓を押しつぶされるような吐き気だった。
「はあ、は、ふう…ぅうう……」
「泣いちまった?痛かった?痛かったか?なぁベジータ…」
この身体を引き裂いている男は、突然に優しくいたわるような声で囁いたと思うと、頬に伝っていた涙を優しく吸いとった。
そっと唇にキスされて目を閉じる。
「んっ、んっ……」
唇を舐め、歯列を辿るその舌を絡めて混ざり合った唾液を飲み込む。
悟空の口のなかは血の味がした。
「好きだぞ、愛してっから、ベジータ……な?そんなに泣くなよ、」
固い親指で涙を拭われ、優しく抱き締める腕。
それなのに、グッグッと肉棒を押しつけて引く腰の動きは止まらない。
どっち、なんだ。
お前はどっちなんだ、
甘いのか、冷たいのか、どっちかにしやがれ。
*****
腰が立たないのはどっかの誰かのせいだった。
ようやく服を着直して、とりあえず同じ野原に座っていたのだが、彼の方はそんなベジータを特に気遣うような様子すら見せない。
何という男だ。
悔し紛れにベジータは顔を引きつらせながら一言つぶやく。
「…痒い」
すると、白い雲の流れる空を眺めていた悟空は、ようやく視線をこちらに寄越した。
「だぁから、あの草は効くんだぞ!?おめぇがイヤがったから…」
「痒いから痒いと言っているだけだ。背中に手が届かない。そのくらい気を利かせて掻きやがれくそったれ」
「おめぇ、ほんとにワガママだなぁ…」
「うるさい下級戦士が!!さっさとしろっ!!」
「ったくよう…」
ぶつぶつと文句を言いながら、ベジータの背中を掻き始める悟空にちらりと視線を流す。
泥臭くて田舎くさい奴だと思えば、急に冷たく冴えわたるような恐ろしい顔をしてみたり、こいつの行動は常に想像の範疇を超えていて、謎に包まれている。
何もかも気にくわない。
背中を掻く手の強さが丁度良いのも、なんだか気にくわない。
そもそも、隣に居て落ち着くということ自体が気にくわない。
こいつは、絶対に俺がいつか倒してやるくそったれ!
ベジータは、固く心に誓うのだった。
END.
☆A☆O☆KAN☆\(^o^)/
鬼畜と優しいのが不意に切り替わる悟空さ萌える
てか、3日連続エロ更新とか私オワタ\(^o^)/
これ途中でエロ書きあきた感あってすみません
どーも、エロ苦手で…。苦手なんだけど、カカベジだしね!書きたくてね!←
あ、最後首筋の傷について触れてないのはあれです、ジャソプ主人公は次のコマには傷が全快してる的なアレかもしれません。
いや、ただ表現を入れる隙間がなかったのと入れ忘れてたのと……ゴニョゴニョ
100829
|