ヤンデレベジ注意(^q^)キャラ崩壊が許せない方はブラウザバック







for you


ひとつやふたつ落ちて来るんじゃないかというほど満天の星空だった。
この辺りは田舎だから、街灯やら何やらで星の光が負けてしまうこともない。
長い間、フリーザ軍で地上げ屋として宇宙を旅してきたベジータは、地球から見上げてもなんとなくどれがどの星群か分かる。

「ちっとでも気ィ抜いてたら、オラでも攻撃避けきれないとこだったんだ。」

隣で同じく空を見上げながら、今日あった出来事を浮き浮きと話すのは宿敵であるカカロットだ。
最近は昼間に悟天の稽古をつけているらしいが、その悟天がめざましく成長しているので親バカに拍車がかかっている。こいつは確かに親バカではあるが戦いに関しては決して買い被ったりしないのは知っている。悟天がぐんぐん強くなっているのは本当だろう。

(ああ、こいつも父親だからな。)

ベジータは悟空の顔を横目でちらりと見る。特徴的な髪型に、太陽の暖かいオレンジ色で染められたような胴着。
隆々と筋肉のついた力強い体躯。
その温もりだけが自分を生かしている。

「おめぇはトランクスの稽古でもしてたんか?」

半分欠けた月の光に蒼く照らされるその優しい笑顔が向けられるのは、なにも自分だけにではない。
悟天、悟飯にピッコロ。チチ。クリリン。ヤムチャ。
言い出したらキリがないほど、お前の口からはたくさんの名前が出てくる。
当たり前だ、悟空は地球育ちで、そして人懐こい性格だから。
たくさんの人と仲が良いのは当たり前だ。
でも、

いつになったら、お前は俺のものになるの。
その瞳が俺だけを捉えてくれるのは、俺が殺すつもりで対峙したときだけなの。
視線に気づいた悟空は、ふと苦笑した。

「そんなに寂しそうな顔すんな」

ぐいと肩を引き寄せられる。

「わりぃな。最近、ベジータと組手してなかったもんなぁ…」

ちがう、組手じゃない。
まったく違うわけではないけれど、組手をしてくれないことが不安を煽るのは本当だけど、
俺はなんでお前のぜんぶを俺にくれないのって思うんだ。
こんなに執着して、こんなに命狙って、こんなに心を占めて、お前は俺のぜんぶを持っていったのに。

不意に、彼の大きな左手に顎を浮かされて、気づけば穏やかにキスされていた。
柔らかい唇。
心を震わせる言葉を吐くその唇。
ここから発音される名前は、俺だけになればいいのに。

「ん、ん…」

ああ、なんでこんなにお前は狡い。
舌を絡めて、涎を吸いとって、鼻でする息が荒くなって、

このあと夜空の下で獣みたいに交わったら満足して帰るんだろうお前は。
お前にとって俺は、ときどき生活に入り込む飾りなんだろう。

ベジータは手袋に包まれた右手に力を込める。ほんの一瞬、コンマ数秒だけ気を高めると、寄り添う悟空の愛しい腹に気弾をぶちこんだ。
どん。
衝撃は、近すぎて自分にも反動が来るくらいだった。
まったく防御していなかった悟空は体を二つに折るように吹き飛ばされて、木々を薙ぎ倒し岩を突き抜ける。ベジータは口元についたどちらのものともつかぬ唾液を拭い、静かに夜空へ舞い上がる。風は少しぬるく髪を揺らす。

気を抑えておいて相手を油断させたあと瞬間的に気を上げるというのはお前から習ったんだ。
他でもないお前から。

地面に倒れこんで口から一筋血を流しながら、苦しげに咳込む影を発見して近くへ降り立つ。
ところどころ破けた服に傷だらけになった体。
俺が傷つけた。たった今、俺が、傷つけた。

「…べ……ベジー…タ…?」

片目を開けた彼がこちらを捉えている。
そう、今彼は自分のことを考えている。
他の人間のことではなく。
ゆっくりと悟空に近づいて労るように寄り添い、屈みこんで体をすりよせる。

「カカロット……」

甘えた目で微笑して、切れて血を流す唇にもう一度自分のそれを重ねる。

驚いて不審そうな顔した彼。
なんでそんな顔するの。
なんで俺を見るときだけそんな顔なの。
分かれよ、分かってくれよ、お前はいつも俺のことなんてお見通しなのに。

「……ベジータ…?」
「カカロット、おまえはどのくらい俺が好きなんだ?」
「どのくらいって……」
「俺はなあ、おまえが欲しいっていうなら目玉だって片腕だって心臓だってくれてやる。死ねというなら死んでやる。なあ、おまえはどうなんだ、カカロット」

地面に寝転んだ彼に跨がって、暖かく上下する胸に頭を置く、どくどくと聴こえる早い鼓動。
それは俺がこうしてるから?
それともただ、傷を受けたから?

「どうした、…ベジータ…。なぁ…?」

優しく髪を撫でてくる掌。
どうもしない。
おまえが欲しいだけ。
でもおまえは、俺の質問には答えてくれないんだな。
ひどい奴だ、ああ、やっぱりサイヤ人だ。
強くて優しいなんて思ってたけど、やっぱり本質はサイヤ人、愛しい同族、ああもうどうしたらいい、これ以上おまえを好きにならせてどうするつもりなんだ。そうかおまえは俺を壊したいのか、じわじわ染み込む毒みたいに甘美なおまえはどこまでも俺を侵食して壊して、そうして自分のものにしてしまうんだろう。

頭を撫でる熱い手を掴まえて、頬を押し当てる。

「くそったれ、おまえは絶対俺が殺してやる」

それは俺が吐く最高の愛の言葉。
おまえにしか言わない。
特別なおまえにしか。






end.




ひいい\(^o^)/
なんでこんなことに\(^o^)/
突っ込みどころありすぎる
ってか作中に出てきた人物たちは一体どちら様ですか\(^o^)/

すみませんすみません




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