ヤンデレ注意









心壊サミット





「もういい。」

ベジータはそういって、悟空に背を向けて歩いていってしまう。
そうやってすぐ怒るのはなんでだか、オラは知ってる。
それを追いかけて、その腕を掴んで。
そうしたら嫌そうに振りかえったくせに、やっぱり手は振りほどかない。

「それで、貴様はどうするつもりだ?」

そう言った綺麗な赤の唇。
思わずそれに自分のを重ねて、ぐちゅぐちゅと音をさせながら合わせて。
歯を立てて、柔らかい唇を、濡れた舌を噛む。
じわりと滲む鉄臭い芳香に、オラはますます夢中になる。

「ん、ぐ…ぅ」

痛みに歪むその顔が可愛くて可愛くて、腕を握る手に力を入れたら、ミシミシと嫌な音がした。
苦しそうに身を捩るからすこし唇を離して息をさせてやると、彼はいっそう赤くそまった唇を開いたまま、潤んだ瞳で見上げてくる。

ああ、思わず、傷つけちゃうんだ。
だって。
だって、お前は。

やめないでって、その顔が言ってるから。

オラはゆっくりと微笑んだ。
直後、ドッと重い音をさせて腹を殴った。
一瞬息を詰めた彼の背中に肘鉄。
重力に抱き寄せられて、うつぶせに地面に叩きつけられたその背中を踏みつける。
ゆっくり体重をかけていくと、彼の頑なな口よりも先に悲鳴を上げる肋骨。

「あ、あ」

空気が漏れるように、苦しげな声はまるでこの空気を彩る楽器のよう。

「は、!やめ、ろ、――!!」

それなのに、とぎれとぎれに言う言葉はオラを失望させる。
頭に血がのぼった。
だって。

お前は。
お前はお前はお前は。

首根っこを掴んで、強引に仰向けに引っくり返してその上に跨る。
いつでも締められるようにその首に両手をかけて、息がかかるほど顔を近づけて、優しく優しく。

「言えよ。オラが好きだろ?」
「――ッ」
「なあ。」

みしり。
首を軽く締めつけてやると、ひゅうひゅうと隙間風が漏れるような音が聴こえる。

「なあ、言えよ。オラが好きなんだろ。なあ。言ってくれよ。言ってくれんだろ?おめぇはオラが好きだよな?なあ?好きだもんなあ?さっきだって本当はやめてなんてほしくなかったよな?オラがやることが嫌なわけねえもんな?オラ、おめえからそう言ってもらえないともう存在できねえんだよ。なあ。だから、黙ってねえで、言ってくれよ。言えよ。言え!」

言いながらぐいぐいと首を絞めつけると、苦悶の表情を浮かべる彼の顔にキスをしながら、生暖かい雫が頬を濡らすのを感じていた。
そうしたら、ベジータの手袋に包まれた震える小さな手がオラの頬に触れて、その水をふき取ってくれる。

オラは胸がいっぱいになる、

だってお前がいないと存在できないっていうのは本当で。
お前がいるから今のオラがオラのままで。
そんな大事な大事な大事なお前を、オラはどうしてもこうやって傷つけて、でもそんなお前が可愛くて、

なあ。


「あいしてるベジータ」








END.




(^q^)




DECO*27様の心壊サミットの歌詞に萌えすぎて書いた。
ひどい。もっと萌える話だったはずだったのにオラの文章力ェ…

病みカカ大好きだ。
病みカカを受け入れる甘いベジータが好きだ。





101212

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