ヤンデレ短文










なんだか自分の皮膚を見ていると、つるりと滑らかなのが妙に気持ち悪くて、がりがりと引っ掻いた。あんまり力を入れすぎたから、血が滲んで生皮が剥ける。
こんな身体なんてなくなっちゃえばいいのに。
身体中の毛穴から血が噴き出して自分の血で暖かく濡れたらどんな気分だろう。
お前の血を全部くれたら、自分の血なんてなくたっていいんだけど、お前は血が無いと死んじゃうから、結局俺は俺の血で生きるしかないなんて悲しい。
全部欲しいんだけど、お前の全部を欲しいんだけど、その全部の意味なんてお前は分かっちゃいない。
お前の一部を突っ込んでくれて、一時的に一つになったような気分にはなるけど、本質的に二人であって、それ以上はどうしようもない、そんなことをつらつらと考えながらまた剥けた皮をべりべりと剥ぐと、赤くてじゅくじゅくした真皮が見えた。
痛い痛い。

「何、やってんだベジータ」

遠くで何かしていたらしいのに、俺の行為に慌てて近寄ってくるお前が、じんわりと血が滲むその傷を舐める。舐めた方がきっとバイ菌が入るんじゃないかと思うんだけど、お前の舌についてるバイ菌なら繁殖してくれたっていい。
そのまま俺を糧にしてくれていい。
べろり、と傷を舐めとっていく鋭い痛みは心地よい。

「あ、い、してる」

言葉を区切ってゆっくり呟きながら、その身体に寄り添った。
多分、お前のそのときの顔は、満足と悲嘆が半分ずつ。
ぴょんぴょん跳ねた髪、力強い眉毛、少し幼さの残る輪郭に、何より一番好きなのが黒くて優しい瞳。

「なあ、カカロット、すき」
「オラも好きだ」

その声だけで今すぐイっちゃいそう。

「もうやめよう、そやって、自分傷つけるな、ベジータ」

暖かい身体が包み込むように抱き締めてくれると何だかふわふわしてきて、だけど胸のモヤモヤがもっと大きくなって何故だか目の奥がつんとする。
気づいたら涙が零れていた。
嬉しいと泣ける。

「オラを頼っていいから、な?」

優しいカカロットは、それだけど、絶対にこの部屋の鍵を開けてはくれないんだ。
俺を閉じ込めて大事に大事に、可愛がってくれるんだ。
そのきれいな顔が近づいてきて、キスされるだけで、今すぐほしくてほしくて、俺はたまらなくなる。

「可愛い可愛いオラのベジータ。」

にいっと、三日月形に裂けた笑みは、なんだかとろけはじめた脳には随分とぼやけて見えて、つられるように虚ろな微笑みを返した。




end.





うわあひどいこれ

私の精神状態が不安定なんです!
ただそれだけです!
すみませんすみません
文章を捌け口にしてすみません



101115








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