ザワツク心中
渇つえる喉元


苛立つ景色に
目障りな群衆

全ての痛みを呑み込んで
溶かすようなアンタの身体で抱きしめて


イラツク心境
耳につく心音


ザラツク感情
消したい人々

全ての不快を舌先で転がして呻くようなアンタの淫らな声を聞かせて




こんな獣じみた感情が恋というなら愛というなら…
なんて醜いエゴイズム。












「っ…ぁ‥ゃめ…」


「これからだっつの」


中に挿れた指を動かしてやれば一度熱を放ったはずの自身はすぐに昂ぶって蜜を零す。


「ほら、元気じゃん…」


軽く指で胸の飾りを引っ掻いて囁けばそれすらも甘い刺激。


「ひぁっ」


口から漏れるのは求めた声。気を良くして吸い付けば味すら甘い。


「ぅん…」


歯列を割って歯の裏から口内まで辿って逃げ惑う舌に刺激を与えながら蹂躙する。


口端からはどちらともない液が流れ落ちて。


「ふ…っ」


おざなりだった下肢を扱いて指を増やして掻き混ぜればやれば鼻から抜ける甘い息。


漸く唇を解放すればもはや理性は軽く崩壊して。


「ぁ…凌統ッ‥」


わざと前立腺を触れない浅い位置で挿入を繰り返してやれば物足りないのか自然に腰をくねらせてくる。


「ヤラシイ奴…」


零す先走りの液
羞恥で染まる頬
寝台で踊る二匹の水龍
どこをとってもヒドク淫猥


「く…やぁっ…んっ」


求める刺激が与えられず緩い痺れに眉間に皺を寄せて呻くばかり。


素直に求められないのは、お互い様。


「嫌な割りには感じてんね」


「っ…」


欲しいって素直に言えばくれてやらなくも無いのに言えない一言。

意地っ張りも良い勝負。


素直に出来ないならこっちだってそれなりに意地悪したくなる訳で。緩い抜き差しはそのままに甘寧の手を取って自身を握らせ上から俺の手を添える。


「凌、統‥?」


「自分で扱けっつの。分かるでしょーよ?」


「なっ!」


「イキたいんでしょ?」

耳元に唇を寄せて囁けば思ったとおりにビクリと反応して、目を見開いて心底驚いてますなアホ面。だってアンタが悪いんだぜ?



軽く握りこんでやれば手は溢れる先走りでドロドロ。

「扱けって」


握りこんだまま手を揺すってやれば嫌がるように首を振る。


「見せてよ、アンタがしてるの…」


優しく甘く、首筋から耳裏まで舐め上げて促す。


「ふぁ…」


緩い刺激に付け加えて、体内に埋め込んだ指を更に増やして内壁を刺激してやれば欲に負けたのか無意識なのか次第に甘寧が自身を扱き始めて。


「………」


思わず声を失った。
はっきり言ってすげぇエロい。強制的にやらせる自慰行為は興奮誘発剤にはおつりが出る程有効。


「…あっん‥ぁあ、ひぁっ…ぁも、イ‥くっ!」


「ダメだっつの」


気分よろしくさぁってとこで根元握込んでせき止めてやった。お仕置きですから。

「や、だっ…離‥せ!」


よほど苦しいのか目には大粒の涙を浮かべて訴える。

訴えの言葉は耳を通り抜けて。目に入ったのは煽るだけの視線とさっき剥ぎ取った甘寧の服と鈴。


途端に閃くお約束。
釣り上がる口端はそのままに中に挿れたままの指を一気に引き抜いた。


「ぅあぁっ!!」


それだけでかなりの刺激だったか派手に身体を弛緩させて甘寧自身は俺の手の中でドクドク脈打って主張する。


「あ‥凌、統‥もぅっ…!」


肩で呼吸をしてただただ熱を求める淫らな獣。今更素直になってももう遅い。躾はきっちりしねぇとな。


「焦んなっつの」


言ってさっき迄解してた処にあてがうのはチリンと音を響かせる無機質なソレ。


「…ちょっ!ソレッ!?」

ヒヤリとした感覚にか響く音にか驚きを隠さず叫ばれた。いいね、その反応。期待どおり。


「アンタの獲物だ。よっく味わえよ」


紐で括られた通常よりも遥かに大きい鈴の連なり。


「…やっ!入んねぇって…ゃだぁっっ!!」


否定の言葉に耳は貸さずにそのままねじ込んだ。


「ひぁっあ!…いてぇ…っ…ふっぅ…」


「いてぇって言う割にはここは美味そうに銜え込んでるぜ?」


ぐいぐい中に押し込んでやればぴくりと手の中で自身が反応を示す。身体だけなら誰より素直だな。




「此処がイいんだ?」


一際高い声が上がった処にぐりぐりと抉るように中で鈴を回してやればぐちゅぐちゅと淫猥な音と鈴の音が響く。


「やぁっ…んぁあっ!やだぁっ」


一つ丸ごと呑み込んでなおも誘い込むかのようにヒクつく蕾。赤く熟れて濡れてひどく巧そう。


顔を真っ赤にして羞恥と快感に揺れる表情も必死に腰をくねらせて取り出そうとしている姿もただ誘ってるようにしか見えなくて。気付けばゴクリと喉を鳴らしてた。


「すっげ…そんなにイイのかよ?」


「ひっあぁあ!!」


指を入れて中で鈴を転がしてやれば内壁やら前立腺やらを掠めて鳴り響く。


限界が近いのか握りこんだままの自身からはダラダラととめどなく不透明な蜜が溢れだしていて。


「ひっあ…も…やだっ‥」

「イイの間違いだろ?」


甘寧の自身を解放してやって中の鈴に繋がる紐を一気に引き抜いた。


「っひあぁぁっ!!」


艶やかな喘ぎは甘く俺の精感を煽り立てながら刺激に素直に溜まり蓄まった白濁を吐き出した。


不規則な呼吸を繰り返して寝台に沈みそうになる身体を押さえて腰を引き寄せて

「休ませないぜ?」


吐き捨ててから痴態に煽られて熱を持った自身を一気に突き立てた。


「ぅあぁぁっ!!」


弛緩してビクリと強ばった身体は次第に快感を拾い上げて腰を振り始める。放ったばかりの自身もまた天を仰ぎ始めて。


「ゃ…ぁあっん…」


根元まで埋め込んだ瞬間からまとわり着いてくる肉壁がかなりイイ。熱くてぎゅうぎゅう締め付けてひどく心地良い刺激。


本当はもっと焦らしてやりたいけど正直あんま保ちそうに無いから欲のままに打ち付けた。


「っあぁ…ん、あっ!!」

「っく…」


最奥までねじ込んで一気に抜けそうになる迄引き抜く。入り口に引っ掛かる程度まで抜いたら角度を変えて前立腺を掠めるように挿入を繰り返す。


「あっ…やぁっ‥ぁあっん…っ」


背中を弓なりにしならせて擦れた声で喘ぐ姿は普段からは想像できない程の艶やかさ。


「んぁっ…凌、統…もぅ‥ひっ…あぁっ‥!」


更なる解放を願って潤む瞳に映っているのは俺だけでその瞳に囚われる。


髪も爪も唇も声も中も外もアンタの全てが狂わせる。


「ん‥イきそ?」


分かり切ってるけど敢えて聞くのは言わせたいから。徐々に不規則に締め付けを強くしてくるのに追い詰められて出そうになる情けない声を押さえて言えば、こくこくと頷き返してくる。


…まぁ、今日の所はソレで許してやるか…



「っ…中に出すぜ‥?」


「んぁっ‥イぃからっ…ぁあっ!ふぁ…りょ、凌‥とぅ…っ!!」


「っく‥ぁ…」


追い打ちをかけるように早急に揺さ振れば甘寧は俺の名前を呼んで果てて。
俺の方もその瞬間の締め付けに応じるように体内に白濁を注ぎ込んだ。




「はっ…」


荒い呼吸を整えてから抜き出せばゴポリと中から液が溢れてきて視覚的にまたヤバい。


ふと何時もだったら中出しすんなってウルセェ奴が静かなのに気付いて顔を覗き込めば気を失っていた。


ヨすぎてイッちまったってやつか?…そりゃ光栄な話だ。



涙の跡とか血液混じりの液塗れで気を失った甘寧を見れば普通少しくらいは罪悪感なんて感じるものなんだろうけどちっとも浮かんでこない。



思う事といえばもっと欲しいとかもっと俺だけを見ろとかそんな事ばかり。



良くも悪くも父上をアンタに殺された日から俺の中はアンタ一色だ。なのにアンタは違うなんてそんなの不公平極まりない。



アンタが他の物を見るなんて許さない。

アンタは俺だけを見て。




俺だけの物で居て。






繋ぐ身体が生み出すのは、嫌悪感とクダラネェ馬鹿みたいな感情ばかり。



溢れだすのは
蜜みたいな不快感。




矛盾の上でアンタを抱いて偽物の言葉を囁いて。


今日も明日もアンタを縛り続けながら答えの無い不透明な蜜を絡め取っていく。










言い様の無い感情。
辿り着くのは独占欲。












クダラネェ
馬鹿みたいな感情。
残酷で複雑な独占欲。
この想いは恋じゃない。



醜く汚いエゴイズム。





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