思いやり慈しんで守ってくれる…



そんな愛なんて俺はイラナイ




アイツを守ってやるほど強くもないし、守ってもらうほど弱はくない




女じゃないから、素直じゃないから、アンタに思いやってもらったり慈しんでもらう資格もない





それでも俺を抱くのなら
縛り付けてよ、アンタの欲で




優しくなんてしなくていい



欲しいのは痛いくらいの快楽




   ただそれだけ














「‥ふ…ぅ‥」

口の端と端をつなぐどちらともない液

ギシリ…寝台が二人分の体重を乗せて悲鳴を上げた


薄暗い室内で交錯する甘い吐息

「っ…ん」

凌統は甘寧にのしかかって包み込むように口付けていた


舌先で下唇を撫でれば簡単に口内に向かえ入れられる

歯列をなぞり内壁、舌に丁寧に絡ませる

…ぴちゃ…

段々に濃厚になる口付けに自然と体は熱を持ちはじめていく


「ん…ふ」


自然と回された甘寧の腕は凌統のしなやかな背中に指を這わせる


いつもなら恥ずかしがって胸元を押してきたりと抵抗見せるのだが今日は何の抵抗もない

それどころか凌統は角度を変えながら喰らい尽くすかのように激しく甘寧の口内を貪っていく

ちゅく‥ちゅ…

絡まる舌と縋り付いてくる指の熱さに侵されていく


「ん…はぁ‥っ」


ようやく口付けから解放すればにやりと口端を上げた甘寧と視線が絡んだ

そのまま甘寧はすっと凌統の前髪を梳き指で耳元を撫でる


「ん…」


微かな刺激にも敏感に反応を返す凌統にやはり抵抗はない


「どうした…?今日は随分積極的じゃねぇか‥」

「…別に?ただそんな気分なだけっつか…」


そう言いながら白い両腕を甘寧に絡ませた

絡んできた手に軽く口付けて指の間や甲に舌を這わせる


「加減しねぇぞ?」

「…アンタが俺を満足させらんのかよ」


ふっと淫猥な表情を浮かべて甘寧は囁く


「上等じゃねぇか…覚悟しとけ」

「やってみろよ、甘寧さんよぉ…」


そう言って凌統は甘寧に視線を絡ませ自分から口付けた




そう、俺がアンタに望むのは窒息するくらいの深くて激しい口付けと骨が軋むような痛いくらいの抱擁



もう、嫌だッつぅくらい欲望に素直になって、二度と浮かび上がらないくらいの快楽に溺れたい



不規則に軋む寝台の音と淫らな水音、そして荒い呼吸

「はっ…ぁ‥ん」

いつになく惜し気もなく吐き出される甘い声

赤く濡れた唇に潤んだ瞳
細い腰と熱に上気して色付いた肌

甘寧は凌統を造る全てのものに誘われているような気分になる

それ程までに今甘寧の目の前で、正確には下肢の上に乗っている凌統の姿は妖艶すぎて

甘寧の上で自らを扱き上げている手は休むことを知らず、くちゅくちゅと液を溢れさせていく


「ふぁ…っ!あん」


下から熱く昂ぶった甘寧自身を摺りつけてやれば一際甘く鳴いて腰をくねらせる

「‥何?我慢、できねぇのかよ…」


凌統は下から自分の胸元の飾りへと伸びてきた甘寧の手に身を捩らせながらわざと憎らしい台詞を向ける


「当たりめぇだろ?テメエのそんな姿見せておいてお預けくらってられっかよ」


甘寧は気にする様子もなく言ってのけると指先で飾りを挟み込み捏ねたり押し潰したり愛撫を施していく


「‥あ…やぁっ‥」


途端に凌統の思考はハッキリしたものでは無くなっていった


「…なぁ、俺に挿れてぇ?」


言ってみれば何言ってんだ?みたいなキョトンとした顔を甘寧は凌統に向けた

言葉の呪縛なんていらねぇから、
愛の囁きなんかハナから求めてねぇから、

俺を求める言葉がほしい

「…なぁ、甘寧?」


中途半端に脱いだ服身に纏って人に乗っかって、赤く染まった顔で小首を傾げて、イヤラシク赤く光る唇で耳に問い掛けを吹き込む


「人の事煽りまくって今更挿れてぇもねぇだろぅが」

吐き捨てるように唸って甘寧は既に凌統から溢れてる淫液で濡れそぼっている入り口に指を伸ばした

軽く身体をびくつかせてズプズプと指を呑み込んでいって、その間も未だ自身を握ったままの凌統の手はゆるゆる動いていて

その姿に甘寧はまた煽られて


「あっ…ん…く、あ…」


前と後ろからの強い刺激に脳も身体も犯されてく様な感覚

甘寧は凌統から溢れる淫液を拭って塗りたくるようにしながら中に入れる指を増やして丁寧に解していく

ぐちゅぐちゅと響く音はどこまでも淫猥で甘寧から与えられる愛撫に凌統は膝がガクガクに震えて自分の身体を支えるのもやっとな状態になっていた






.

「…ふぁ‥甘、寧…」


甘い吐息と共に名前を呼ぶと向き合ってた甘寧の身体を寝台に押し倒した

そして甘寧の胸元に両手をついて甘寧の性器を指に絡めて自らの入り口にあてがった


「…挿れてぇんだろ?」

「‥てめぇこそ欲しいんだろぅが…」


お互い不適な笑みを浮かべて
その実、もう理性とか色んな物が限界で

凌統は腰を落として甘寧を体内に迎え入れていった


「ふ…あぁっ、‥く…」


ゆっくりすぎるその動作、包み込むようなキツイ締め付けとまとわりつく熱さに甘寧も小さく声を洩らした

「くっ‥」


凌統が体重をかけて深く深く繋がればそれだけでイケそうな痺れが二人を襲う

甘寧は何とか熱をやり過ごして凌統の細腰を掴んで下から突き上げはじめた


ずちゅっ ずっ


「ひぁっ…あ‥ん」


軽く揺さ振れば凌統の奥からはジワジワと液が滲み出てきて中は蕩けていった


「あ…あっ、ふ…」


甘寧はじっくり中を堪能する様に緩急を付けて突き上げてくるが、凌統にはその動きは甘い痺れをもたらすだけでもどかしいらしくついに凌統は自ら腰を振り始めた


「…興、覇ぁ…っ」


律動に合わせて腰を振って深く深く銜え込んで

抱き合ってるときはもちろん、日常生活でさえ呼んだ事の無い字名を初めて口にした凌統のその声に甘寧の自身は更にその体積を増した


「っあぁ!…っふ‥あ、興覇ぁ…!」


ぐちゅぐちゅと前立腺を掠めて行き来する動き

既に凌統も甘寧もまともな思考なんて残ってなくて


「あ…興覇っ‥!出、る…」
「あぁ‥いいぜ‥」


甘寧の背中にしがみ付いて爪をたてながら限界を訴えてそのままビクビクと身体を震わせて密着した身体に白濁をブチまけた





「はぁ‥はっ‥」


肩で呼吸を整えてる凌統を甘寧はさっきとは逆に押し倒して俯せに寝かせた

そして埋め込んだままの自身を中から引き抜けば中から液がぽたぽた溢れて凌統の内股を濡らしていく


「ん…まだ…足んねぇ…」

その感覚に声を洩らしながらねだってくる凌統に甘寧は笑みを向ける


「…満足させて欲しいんだろ?ひぃひぃ言わせてやるよ」


後ろから内腿から背中を撫で上げ精液でヌラヌラ光る穴に指を差し込む


「あっ…ん…」


さっきまでいっぱいに広がっていたくせに熱くキツイ締め付け

指を動かすたびにぐちゃぐちゃと濡れた音と凌統の甘い吐息

解されたソコは簡単に三本指を呑み込んで


「ん、やだ…っ…興覇の…欲しい…」


凌統の出したばかりの陰茎はその大きさを増して主張して、甘寧はその凌統の痴態と誘いに勢いを増した自身を突き立てるように一気に根元まで差し込んだ


「う、あぁぁっ!!」


下腹部を圧迫するその熱さに甘い悲鳴をあげる

硬直する身体、構わず腰を掴んで何度も強く挿入を繰り返す


「あ…気持ち‥い…よぉっ…」


強すぎる感覚に凌統は生理的な涙を浮かべて快楽を喉の奥から吐き出せば甘寧はふっと満足そうな顔をした

「ひっ…あ、興‥覇…!も‥ダ、メッ…」


性感帯に打ち付けられて凌統はガクガク身体を震わせてしゃくり上げるような悲鳴で訴える


「…イケよ…」


低く囁いて腰から前に手を回してはち切れんばかりに膨張した凌統の自身を強く扱きながら更に激しく打ち付けてやれば


「あっ…ひぁああっ!」


汗や色んな液まみれの身体を弓なりにさせて甘寧の手に新たな白濁を弾けさせた

その瞬間の強い締め付けに甘寧も射精を促されて後ろから凌統を強く抱き締めて中に自分の精液を注ぎ込んだ





あのまま二人で寝台に沈み込んでけだるい空気の中、甘寧がぼそりと吐き捨てる


「…このまま犯り殺しちまぃてぇな…」


自分を抱き締めたままの腕


繋がったまま密着してる体


首筋に感じる熱い息


耳に響く低い物騒な言葉



「…それ、いーかも‥」




どうか、このまま捕まえていて




熱い身体と欲に満ちたその瞳で




今だけでいいから




このまま愛されてるって勘違いするまで一晩中犯し続けろよ




思いやり慈しんで守ってくれる、ましてや愛の囁きや優しさなんて要らねぇから



アンタの生きてる証を俺に刻み付けて




淫らになって、俺に触れて快楽を貪らせて






そしていつか、
見知らぬどっかの誰かの手で殺される前に
アンタの手で葬って








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