ジー・ジーと夏独特の蝉の声と照りつけてくる太陽。
いつもと何ら変わりない午後。
「…俺、孫策さまの事好きだなぁ」
目の前に流れる大河で俺をお供に釣りを楽しんでるアナタにポツリと告げた。
「いきなりなんだぁ?凌統」
頭を掻きながら振り返って俺を見上げたその顔が少し赤いのは暑さだけの所為じゃないと思う。
「や、なんとなく…衝動的告白っつの?」
「…俺に聞かれてもなぁ。」
そう言って、屈託なく笑う。
青空みたいに澄んでいて太陽みたいにあたたかに‥。
こんな柄でもない事を違和感なく感じさせるアナタが…。
「ん〜…じゃあ、アナタの家臣でよかったな?」
少し考えた素振りを見せてそう言えば満面の笑みで
「俺もオマエの事好きだぜぇ」
って言われた。
「ははっ…じゃあ、俺達両想いですね」
「相思相愛だぜ!」
お互い目を見て笑い合う。そんな時間がとても愛しくて。
あぁ、本当にアナタに仕えられて良かったと思った。
渇えたこの国が、アナタのようあたたかであれ…そう願った。
何でもない夏の午後
アナタと二人で過ごしたやわらかな日
終