後は決定的な刺激だけを与えればもう限界は間近だ。

「あっ、…やぁ、はぁ…ぁ、あ、んぁぁあっ!」
「ほぉら、政宗、どうして欲しい?」
「や、言えね…っ」
「でも、言わなきゃこのままだよ?」

ぐるりと腰を回して内部をかき混ぜる佐助だが肝心の部分は器用に避けて刺激してくる。そのもどかしさに政宗の僅かにあった羞恥心はあっという間に根をあげた。

「あ、あ、も、イかせて…っん、もっと、もっと佐助ので、良くしてっ…ん、ひぁあっ!!」
「…っ、了解ッ…はっ」

おねだりと淫らに高く鳴き続けている政宗に煽られ佐助ももう限界である。ユラユラと目の前で揺れる尻尾を股の間から前に回し張りつめた自身と一緒に扱きながらピンポイントで前立腺を抉るように捩じ込んでいく。

「あ、もぅ、もぅ…ダメっ…イく、イッちゃ…あ、あ、やぁっ…も、ダメ、あ、ぁぁん、…ふにゃぁぁーーっっ!!」
「ぅ、ん…っ」

感じる所を集中して攻められてしまえば政宗は数分も持たずに猫そのもののような悲鳴を上げビクビクと身体を震わせ絶頂を迎えた。そしてその締め付けに促され佐助は政宗の中から急いで引き抜くと四つん這いの白い背中やフサフサの黒い尻尾に精を吐き出した。

「は、ぁ…はぁ、政宗、大丈夫?」
「ぁ、…ん……」
「政宗?」

その余りにも過ぎた快感と余韻に政宗はクタリと意識を飛ばしてしまった。

(ヤりすぎたかな?)

初めての子相手に些かがっつきすぎたかとも思う佐助だが久しぶりということもあったし、如何せん政宗が可愛すぎた。

うん、可愛すぎる政宗が誘ってきたんだもん。俺様は悪くないよね!とどこか最低な言い訳を罷り通して佐助は思考を切り替え、簡単に政宗を清め、敷布カバーを外し洗濯機に突っ込み政宗が使っている方の布団に政宗を抱えて佐助はサッサッと布団に潜り込んでしまう。目を覚ましたら政宗がどんな反応をするのかと想像してる内に佐助もいつのまにか寝てしまった。



(Oh……)


夜中ふと目を覚ました政宗は佐助のドアップに面食らっていた。なんでこんな間近に…と考えて数時間前の出来事をすべて思いだしボボボ、と顔から火が出るが如く勢いよく赤くなった。

(なにしてんだ、俺ーっ!!)

もんどり打って転げ回りたい気分に陥ったが佐助の腕がしっかりと政宗をホールドしているのでそれも叶わない。

でも、でも。と居たたまれなさからどうにか腕から逃れようと力を入れてみた瞬間、ズキッと腰に痛みが走った。

「痛っ…!?」
「ん…?政宗…?」
「あ、悪い。起こしたか?」
「ん、平気……」

政宗の叫びに佐助が目を擦りながらぎゅうぎゅうと抱き締めていた腕から政宗を解放する。そして今度は政宗の腰を撫でながら

「腰痛い?ゴメンね」
「違うっ!!佐助は悪くない…っ!」

張り切っちゃって、と続くはずだった佐助の軽口のような謝罪に政宗があんまりにも真剣な顔で遮るものだから二の句が言えなかった。

「俺こそゴメン…。俺、雄なのに……夜に来た奴に当てられて、つい……」

つまりは発情期の猫に当てられて自分も発情してしまったので襲ってきた、と。なるほど、と思いこそすれ別にそれ以上考えることなど佐助には小指の爪の先程もなかった。むしろションモリと耳と尻尾をへたらせて謝罪してくる政宗は本人は至って真剣に話しているのだが佐助には可愛いいなぁ、としか映っていなかった。

「政宗謝らなくて良いよ?俺様はちっとも嫌じゃなかったし。」
「でも、俺…無理矢理…」
「もう。いつも言ってるでしょ?政宗が可愛い。一番大好きって。性別なんて関係無いの。政宗が俺に鎮めてって甘えてきてくれて俺様は嬉しかったの!だから謝らない!分かった?!」
「I see…」

そっと手を伸ばしていつも毛並みを撫でるように髪を撫でながら微笑めば政宗も漸く安心したように佐助に微笑んでみせた。


「佐助…」
「なーに?」
「………何でも無い」


先ほど解放した佐助に今度は政宗からギュッと抱きついていく。すっかり佐助の腕に納まると胸にすり、と摺りついてくる。そんな政宗に緩む頬を元に戻すこともせずに佐助は唇を寄せる。


「政宗、大好き」
「……………Thank you」

小さな小さな蚊の鳴く音のような呟きも佐助は聞き逃さなかった。ソッと微笑みながらギュッと胸に居る政宗を抱き締める。そしてそのまま訪れた眠気に逆らうこと無く瞼を閉じたのであった。





猿飛佐助、23歳。
これからは心身共に政宗が癒してくれる日々になりそうです。





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