椿明良様へ
凌甘 SS 「泣き甘寧」
思惑どおり淋しくなっちゃってたら幸いです(笑)企画参加有難うございました☆
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「やってらんねぇ…」
淡い月がしらしらと光る深夜。水面に浮かぶ一席の船から零れた言葉は誰にも届かない。
ほんの一週間前にあの鬼畜垂れ目が遠征に出立した。
まだ一週間?
もう一週間?
予定では一ヵ月弱のソレは決して口に出したくはないけれど確かに確実に甘寧の中に淋しさを生み付けていく。
乙女思考何ざ真っ平御免な筈なのにふとした瞬間に探してしまう。
隣に居るはずの無い姿を。口を開けば皮肉ばかりのあの声を。
「っ…」
思い出すだけで熱の高まる身体が我ながら憎らしく情けない。
そろそろと下腹部に手を伸ばせば主張し始めている雄。
だらしなくも植え付けられた快楽に抗える筈もなくそろりと手を這わせた。
「ふ‥っぁ…」
少しの刺激にも敏感に反応する身体はやはり無意識に淋しさを募らせている。
緩やかに上下に動かせば無意識にこぼれる声。
快楽を追えば追うほど虚しくなるばかりだと分かっているのに休む事無く動く手は止まらない。
「…っ…‥凌統‥ッ」
吐き出した白濁と奴の名前。
ぱたりぱたりと伝い落ちてくソレは涙か何なのか。
水面に広がる波紋。
それは月だけが知る彼の秘め事
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