小説 | ナノ
1.雪シュラ




目の前には、飲んだくれてへろへろになったほぼ下着姿の女性。毎回毎回学習しないのだろうか。



「シュラさん、起きてください」

「んにゃ〜…あと10時間〜」

「ふざけないでください」



起き上がらせようとすれば、逆にのし掛かるように押し倒された。毎回毎回僕も学習すべきだ。どこか機嫌が良さそうな彼女に、事務的に声をかける。



「重いです」

「………………つまんにゃ〜い」

「はい?」

「だって、こんなイイ女にのし掛かられてんだぞ?なんかもっとこうな…うおっ!?」



ふにゃふにゃな割りに、活舌のいいセリフ。それを遮って体勢を逆にした。丸腰で油断していた今のシュラさん相手なら容易い。視線を落とせば、きょとんとしたシュラさんと目があった。



「なにか、あったほうがいいんですか?」

「へ?」

「冗談です。目は覚めましたか?」



呆然としたシュラさんの上から退き、微笑んでみせた。ついでに放ってあったコートを投げて渡す。



「……雪男のくせに」

「なにか?」

「っるせーよ、ビビりメガネ!」







1.い頬は誰の所為?










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