燐は、いつも元気で、明るくて、強くて、眩しい。私なんかが近くにいていいのかな、なんて思っちゃう。
「しえみ?どーかしたのか?」
「ふえっ!?り、燐!?」
「うおっ!?いきなりでけぇ声だすなよ。びっくりしただろ!?」
「ご、ごめん!ちょっとぼーっとしてて…」
いきなり燐のどアップが目の前に現れて、思わず大声をあげちゃった。しかもちょうど燐のこと考えてたから、なんだか恥ずかしい。
「なんか悩みでもあんのか?」
「う、ううん!…そういうわけじゃないんだけど…」
燐のこと考えてたの、なんて言えない。曖昧に笑って誤魔化そうとした。でも、燐がじっと見つめてきて逃げられない。
「えっと…あ、あのね…羨ましいなって思ったの」
「羨ましい?」
「うん」
そう。羨ましいの。片眉を上げて訳がわからないって顔をした燐に、私は頷いた。
「何がだよ?」
「それは…秘密だよ」
「えー!?ケチだな。別に、誰にも言わねぇぞ?」
不満そうに唇を尖らせる燐。私ね、羨ましいんだよ。私が持っていないものを持ってる燐が。度胸も勇気も強い心も弱い私にはない。だから羨ましくて、眩しいの。
「私、強くなるからね!」
「…別に、お前は強くなんなくても…」
「強くなりたいの」
戦う力は燐には追いつけないかもしれない。だけど、心だけは。燐の隣に並んでも恥ずかしくないように、誰よりも強くなりたい。
「……無茶はすんなよ」
「うん」
笑った燐に、私も笑って心の誓いを強くした。
いつかのために(待っていてね)←