小説 | ナノ


4.素っ気ない君はネコに似ている
志摩くん









女の子はみんなかわええ。クラスにおる子も、学校ですれ違う子もみんな。せやけど、ほんまに気になる子はたった一人だけ。朴さんにはああ言うたけど、あれは半分間違い。一番仲良うしたい女の子。それが正解。あの手この手で話し掛けても、いつも冷たくあしらわれてちょっと心が折れそうではある。




「あの意地っ張りなとこも可愛いらしいんやけどな〜」




なかなか寄りついてくれなくて、プライドが高くて素っ気ないあの子は猫に似てると思う。少しつり目なとこや、艶やかな綺麗な黒髪、しゃんとして歩いとる姿は黒猫のよう。気付いたら彼女を振り向かせるんに必死な自分がおった。




「デレるとこめっちゃ見たい!!笑うとこめっちゃ見たい!!超絶かわええに決まっとるわ!!」




思わず叫んだ。なんやかんやで彼女が笑っとるとこあんまり見たことない。そう思った瞬間、目に飛び込んできた光景に釘付けになった。




「…出雲ちゃん、と奥村くんや…なにして…え、なんやあれ…」




見えてきたのは奥村くんと話す出雲ちゃん。そこまでやったら普通の光景。せやけど、出雲ちゃんはいつもの仏頂面やなくて笑顔やった。俺が見たことない楽しそうな笑顔。しかも、




「ちょーと近ない?あの距離……近すぎるやろ…!!」




近距離で話す二人を見て、胸の奥からなんや得体の知らんもんが上がってきた。そして次の瞬間には俺は走り出していた。









素っ気ない君はネコに似ている
(そんなところも全部)









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