▼戦闘妖精・雪風<改>/神林長平
10/14 22:29(0

##amz_B00GJMUJVI##作者::神林長平
あらすじ::惑星フェアリィでは未知の異星体ジャムと人類との終わりなき戦いが行われている。戦術戦闘電子偵察機・雪風に依存する主人公深井零は味方を見捨ててでも敵の情報を持ち帰るという非情な任務の中で、孤独な戦いを続けていた。

私がSFを読むようになったきっかけの本。確か中学校の頃に初めて読んだ。
色々専門用語が出てくるけど気にならずに読めるよ!

テーマは「人間性」。
主人公、深井零はまさに「人間性」を欠いた「機械」のような人物であり、本物の「機械」である戦闘機・雪風に依存している。
作中で零はジャムとの戦いの中で、「ジャムは本当に人間と戦っているのか」という疑問に突き当たる。もしかしたらジャムは機械と戦っているのではないか、と。
もしそうならば、人間が戦う意味とは? 機械とは、人間とは一体何か? 自分とは?
零と雪風の関係や、未知の異星体ジャムの侵略から「人間性」「機械性」について鋭く切り込む作品。


……うーん。はっきり言って文章はすげー読みやすい作品なんだけど、テーマとか問いかけが結構考えさせられる。
というか私、まずジャムが一体何かわからない。

過去、神林長平のトークショーで「ジャムってなんですか?」って質問した猛者がいたらしく、一応神林先生答えたんだけどかなり曖昧。まとめると「一部二部三部で異星体ジャムの設定が変わっていく。今作(一部)では機械知性で、二部ではさらにそこから遠のいて、三部ではもう何かわからないものになっている」といった感じ。
でもジャムっていう「人間じゃない」存在と「人間」を比べるから、「私たちって、一体何?」みたいな問いが出てくるんだし、なんでもいいのかも。というか、もし完結しても明らかになりなさそうだしそう思うことにしよう。

ちょっと本題から離れたかな。一部に戻そう。
私は八話ある中で四話目の「インディアンサマー」が好き。
異常行動を起こした空中母艦バンシー4を調査に行く零とシステム軍団のトマホーク。しかしバンシー4は既にジャムに乗っ取られていた。ジャムは原子力駆動心臓を移植していたトマホークだけを襲い、バンシー4の中で死ぬ、というお話。
トマホークが最期に言った「僕は人間だよな」という言葉が上の問いに繋がっている。
この話はなにより、まだ機械知性としてのジャムだから行動が分かりやすい。「機械」を体に埋め込んでるトマホークだけを襲う。「機械」のような「人間」である零は襲われない、っていう。
やっぱり分かりやすいからこの話が好きなのかもしれない……。唯一?ジャムが(戦闘機や人に化けてない)姿を現してるし。

一部なのでまだ問いに対する答えははっきり明かされてないけど、非常に考えさせられる作品。この作品を読んでて思うのが、これ本当に30年前の作品なのか?ってこと。確かに改訂されてはいるけど、はっきり言ってかなり驚かされる。色褪せない面白さ!みたいな。

アニメ版も有名だから、アニメから入るのもオススメ。
ただアニメ版は色々言葉足らずな感じだから、後で原作を読むとさらに分かりやすいと思うよ!



というわけで初感想(書評もどき)でした!
難しーなーもー。

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