( To, 血漿 様 )
名前を呼ぶ声が、遠く
好きがきえた
吐き出した気持ちも風に流されて
本当の愛には必要ないものなのよ?
君の声さえ忘れてしまったの
キスで奪ってしまおうか
君の口から出る愛の言葉だけで十分だった
もう二度と嘘なんてつかない
たとえ想いが告げれなくなったとしても、ね。
さよなら、その一言で僕らの運命は変わるのに
( To, 檸檬齧って眠る 様 )
鼓膜をあやす君の声
饒舌な痛みを下さい
言葉の裏の面貌が見えてしまった
嘘を吐くなら側にいてよ
ティッシュに丸めて捨てた泣き声
悲嘆を呑み込むウサギ
吐息から派生
僕の哭声を聞いて
美しい別れの言葉なんていらない
震える唇から、リーベ
( To, かき氷 様 )
ありがとうで人は優しくなれるの
魔法の呪文を言ってごらん
君の声が耳を滑る
大切な事はいつだって届かない
ありったけの嘘を重ねて
喉の奥で寂しく疼く
時には心を塞ぐ凶器
声無き叫び声
生まれた場所が違うだけで分かれなかった君と僕
その一言だけを抱えてきっと僕は生きていける
( To, 樫野千紗 様 )
嘘をついたら、もう二度と君の声をきけないね
僕が紡ぐ言葉は世界の一部にしか過ぎない
毒を吐くのはやめてください
それが君の本音ですか
冷たく笑う貴方のその声が好きです
( To,糸子 様 )
気になるアイツは無口ちゃん
三点リーダとダッシュ
引き換えに足でも貰ったのか?
会話の壁打ち
はっ! 声練習
言偏
もしもし、駄目だ返事がない、ただの屍のようだ。
告白より自供だコレ
「俺の声、聞こえてる?」
(ううん、聞いてない)
あい、すくりーむ。
はいかイエスでどうぞヨロシク
最終的に此方からは筆談を出す所存です
云いたいことは何かありますか
「じゃあ、好きっていって」
「はいはい。鋤、鋤」
NO愚!
いつか脣解けるまで
( To,宙 様 )
腑からの笑い声
汝、我に推服せよ
恐怖を声にして初めて泣いた夜だった
そう。広がるは、圧倒的な絶望。双眸を見開き、僕しかいない世界でひとりの女の子の名前を呼んだ。
おそらくは、その少年は最期の恋をしたんだね。
( To,0207 様 )
吐息を混ぜた名前
世界に呑み込まれた愛の成れの果てが心臓で疼くから、もういっそひび割れた所からこぼれ落ちてしまえばいいのに。
耳から侵すことにしようか?
生命線
ほどいてみてよ、きっと裸になるから
( To,さきは 様 )
きこえますか、きこえますか
やっとのことで汲みあげた衝動さえどうして呑みこむのか
やわらかく凍らせて、刺々しくとろかして
鼓膜がふるえてびっくりしたの
今こそ、声をあげようか
( To,Jack 様 )
あなたの鼻濁音に秘められた虚構を演じてご覧に入れましょう
名声よ、塵芥となり果てろ
鐘が鳴るよと冷えた手の君が言う
あの子の「ねえ」が融ける薄暮れ
死して猶残る言葉を君の喉から
愛してるなんてありきたりな言葉もすぐには出てこないものね
燃え尽きる薄汚れた金切り声を安らかに拝聴せよ
やさしさなぞらえた声ひらり
古ぼけた純文学のページと一緒だ
「またね」の短さよ
( To,クロ 様 )
その一言がわたしに呪縛を掛けた
鏡はわたしに問い掛ける
願望をくちにすれば叶うと言う
ぱちん、と弾かれたように
エンドロールに声なんてなくても
きみの声の残響
「あいしていたよ、心底ね」
( To,mozu 様 )
終止符をうつ高らかなその声音
譫言も戯言も最終便がさらってく
随分かわいい声でなくんだね
どうか黄色い声援を!
きみの声なら世界だって変えてしまうんだ
( To,すばる 様 )
仄暗い部屋で震えて叫べ
アイボリーのシルクみたいなため息
涙と飲み込まれて消えた
calling no one
ヒトリ伝言ゲーム
向かう相手もまだ見えない
( To,そら 様 )
静寂リフレクターズ
ハロー、泡沫の夢
呼気に含んだ絶望
斜線が邪魔をする
ノイズを纏う夕闇
心地よい喧騒
彼女の囁きは毒で満ちている
( To,順 様 )
空まで悲鳴を
朗らかな産声
貴方の口を塞いでいたのは私です
怨みの様に纏わりつく
言霊があったなら
名前を、嗚呼私に名前を
ずっと探していたの
癖になる断末魔
腹から叫べ、血反吐が出ても
ふわりふわりと降りてきた君の音色
( To,久慈屋 様 )
かたちをもたぬ愛の形
呪いにも魔法にもなる
黄金の國ではそれを尊ぶ
あのこが欲しがったもの
私たちが呼吸と引き換えに得たもの
味がついたなら分かりやすいのにね
人間は大切な人の声から忘れていくの
あなたの声を閉じ込める硝子が欲しい
( To,笹倉 様 )
あなたの声は水槽越しじゃ愛も哀も届かない
この嘆きだって泡になるだけ
まばたきできないぼくの代わりに泣いてくれ
鰓呼吸でアイ・ラブ・ユー
鱗が剥がれ落ちる日までおわかれ
ほんとうは何も言ってなかったのでしょう
( To,りりこ )
我が儘も言えない
記憶に絡む規制音
喪失感と後悔の方程式
遮断した臨界
厭らしい水音と乾いた失声
これで少しは可愛くなったでしょう
陸の人魚姫は泡にならない