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stardust

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Prince of Tennis
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子猫は時に爪を立てる(跡リョ)

「うわ!跡部!背中背中!」
「アーン?」

 正レギュラーのみが使用することを許せれている部室の中で、着ていたブレザーのシャツを脱いだ跡部の背中を何となしに見やった宍戸はギョッと目を見開いて、大声を上げた。そんな宍戸の声に何事かと意識を向けた他のレギュラー陣も跡部のほうへと注目した。当の本人はといえば、突然騒ぎ立てるチームメイトに訝しげな視線を向けるのみだ。

「お前…、また盛大にやられたな…」
「すげー跡だC!」
「何がだよ」

 顔を真赤にする宍戸や何やら意味深な笑みを浮かべる忍足たちに気分を害したのか、ピクリと眉を潜めて声を低くする。そんな跡部の様子にアワアワと慌てた様子で宍戸が叫んだ。

「背中だよ!!!背中!!」
「アーン?」

 そう言われ、跡部はふと昨日の出来事を思い起こした。そういえば、昨日は他校に通う恋人を練習帰り半場ムリヤリ拉致して、彼の自室で強引に事に及んだ。勿論氷帝同様ハードな練習スケジュールの青学に通う跡部の恋人の少年は、全力で拒絶していたが、百戦錬磨の跡部に取ればお手の物で、結局跡部に押さえつけられた少年は流されるまま暴君の情事に付き合わされたのだ。その時、普段よりも強く背中にしがみついていたような気がしたが、それが今チームメイトが騒いでいる原因だろう。
 そう。跡部の背中にはクッキリとした引っかき傷がいくつも残っていたのだ。大凡、気分を害した恋人がナケナシの復讐でつけたのであろう。

「どんな猫に引っかかれたんや?」

 思考に陥っていた跡部に楽しげな声を上げて忍足が笑う。昨日の恋人の痴態を思い出した跡部は、ニヤリと口元を歪めると愛おしげに肩辺りについた傷跡をなぞった。

「極上の子猫だ」



子猫は時にを立てる
(その傷跡さえもただ愛しい)
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After word(あとがき)
メモログ。跡リョ。たぶん一番色気あるカップルだと思う。
2012/05/28
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