*捏造、ジャンル、CPごちゃまぜ注意 log


(stsk 錫也と月子)





おれはしっていた
どうしようもない事実だ
俺はきっとこの狭く息苦しくも心地好い世界の中で一番真っ当に汚い事を誰より知っていた。耳を塞いでも指の隙間から音は侵入する。産声、銃声、嬌声、罵声、断末魔、全部混ぜたみたいな絶望だ。哀しい歌が好きという月子は俺が知ってた月子と違う。

「もういいよ」

月子は続ける。

「もういいんだよ、錫也」

俺はこいつに嫌われるより何よりもういいんだよと言われるのが怖かったんだ。
ああこいつが愛する幸せ者、俺の手垢と妄執の塊をどうか末永く大切にするがいい。
「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -