※最終回後


「ふふ、…遊星、だいすき…」
「…リューナ」
ソファーの上で自らをクッションにして、遊星は恋人を抱きとめる。
一方のリューナはというと赤い顔を隠すこともなく、ふにゃりと笑っているだけ。
彼女がこうなった原因は大方予想がつくが、その理由までは分からない。
風呂からあがってリビングに向かったらこうなっていたのだから。
「リューナ、どうしたんだ」
「んー?べつに?」
「酒を飲んだんだろう?何か嫌なことでもあったのか?」
テーブルの上には、飲み口が開いた酒の缶が一本。
甘えるように胸に顔を擦りよせるリューナに、なんとか理性を保ちながら遊星は質問する。
帰ってきてから見た彼女の顔は暗いものではなかったのだが、心のどこかにひっかかりがあるならそれを取り除いてやりたい。
遊星からのその問いに、彼の身体の上で少しだけ考えたように視線を逸らしたリューナは、ややおいて、少しだけ拗ねたような表情を見せた。
そして、遊星の首に腕を回して、唇を落とす。
「やなことなんてないけど…わたしからも、ゆうせいにきすしたくて」
「…!」
「でもはずかしくて…おさけのんで、がんばってみたのだけど」
唇を啄まれて、とろんと目が潤んだリューナに見つめられて。
必死に平静を保とうと努力する遊星に、とどめがさされる。
「あなたしか、おさけのんだわたしをみないから…いいでしょう?」
甘えた声色と、上目遣い。
ごく、と思わず喉が鳴る。
首に回された腕の温もりが、彼女の控えめな独占欲に思えてならない。
「いい…というか…」
「…だめ?」
「駄目、じゃ、ない」
遊星の腕も、リューナの首に回される。
そっと引き寄せて、逃がさないように口付けた。甘んじて受けるリューナに危機感を抱きながら、彼女の言う通り自分しかこの状態を見ることがないという事実に優越感さえ覚えてしまう。
「…覚悟しておいてくれ」
熱く、長いキス。酒に浮かされたリューナの目は酸欠で更に潤む。
「かく、ご?」
「ああ」

今の彼女に手を出すつもりはないが、酔いはいずれ醒める。
それまで、ゆっくりと待てばいい。




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今更ですしどこかで書いたような気もしますが、この夢主はアルコール度数4%でふにゃんふにゃんになる設定があります。
そして今回の夢主は20歳越えてます。飲酒は20歳を超えてから!





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