ふたりいっしょに壊れてしまえたらよかったね、とかなしい声はいつしか灰色に泣く


ひとえ瞼にきすをして、あの夜だってなかったことにして、いまはただあなたのずるさに痛みを感じていたいの


月明かりの夜、ひそやかにきみの脚を手折ったぼくはちっともダイヤモンドなんかじゃなかった


群青にねむる宝石は、さがしていたあわい瞳に似ているかしら


白銀のあまさを知らないうちは嘘つきなふりをして泣いていられたのよ


そうよ、ぜんぶあなたのための孤独だからすきに食べ散らかしてね


貴方の闇から新月の薫りがただようのを触覚でたしかめたくて、わたしは触れた熱からほろんでいくの


淡いブルーに浸されて、まどろみの合図もわからずに、知りたがりなゆびさきにうばわれる


愛し方もわからずに抱きしめたのはまちがいだったね


こどものふりをしているのにはすこし夜が似合いすぎたみたい、ルージュに滴る女の子はまるで魔物ね


そっと秘めた祈りを蜜月に照らして、あなたがくれた痕をなぞって、罪とか罰もひとりじめするのよ


いまだけは強がりでいたくないのに、不機嫌なくちびるはあまい腕と反比例するみたいにきみとぼくを不器用にする


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