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屋上の扉を開いたと同時に、腰の辺りに衝撃が走る。咄嗟に踏み止まろうと2、3歩前に進むも、そのまま前方に崩れ落ちれば、背後で油圧式の扉が閉まる重たい音がした。


「にお先輩!」

「赤也か…」


はぁ、とため息をつきながら起き上がれば、「うわっ」という声とともに背中が軽くなった。見れば俺の背中から落ちたらしい赤也が腰に手をあてて呻いていた。


「何やっとんの、赤也」

「仁王先輩が落としたんじゃないっすか!」


ぷく、と頬を膨らませて怒る姿がかわいいと思えるのは多分この辺が限度だろう、とどうでもいいことを考える。どちらかといえばかわいいと称される丸井だってその類いの仕草はそろそろ限界が近いし、そう考えるとこの辺でやめさせておくべきなのだろうか。いやでもかわいいし。


「におーせんぱい?」


こてん、と首を傾げた赤也を見て、しばらくはこのままにしておこう、と即決した。なんだこの生き物。かわいすぎる。
あつい、ちいさく呟いた赤也のために、とりあえず日陰に行こうとちいさな愛し子を抱き上げた。