09 | ナノ
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「委員会がないことかなあ。」

「無理だろ。」


 ぐったりと帳簿の上に頭を伏せながら悲痛な叫びを漏らした加藤さんを、あっさりと切り捨てたのは任暁だ。それに加藤さんはひどい!と顔を覆う。しかしその腕の下には未処理の帳簿が山のように積まれている。


「ていうかお前がちゃんと書類処理すれば委員会の回数はもう少し減るぞ。」

「んなこと言ったってさあああ!IT化の進んだこのご時世に手書きって!ないだろ!」

「お前が女のくせに字が下手なのが悪い。」

「うっせー男女差別すんな!」


 ぽんぽんとリズムの早いやり取りはもう何度となく聞いたものだ。小学校からの腐れ縁だかなんだか知らないが、この二人のケンカは端から見たら仲の良さの確認に見える。そして、最終的にこの言葉で終わるのだ。


「あんまりぐちゃぐちゃ言ってると置いてくぞ。」

「わ、待って待って!」


 あーあ、こんな質問、するだけ無駄だけど。


「加藤さんは、任暁と帰るのすき?」

「…!うん!」



最高の生活は?
(なんだかんだ言って、今の生活が最高なんじゃない?)