砂糖を煮詰めるしょうゆ味(if轟/10万打)



※プロヒ、同棲軸


「寝てる」

 仕事終わり。もう少しで沈んでいくだろう夕日を背景に帰宅すると、リビングのソファで焦凍くんが落ちていた。私は二日間出張からの帰ってきてそのまま仕事だったし、焦凍くんも鬼の労基違反レベルの連勤をしていたはずだ。敵犯罪の発生率は、断然夜が多くて、当然私たちヒーローも夜間に駆り出される。ソファにうつ伏せに寝る姿は、脱ごうとしたんだろう靴下が半分脱げたままだし、多分帰宅即力尽きたんだろう。伏せたまつ毛が影を落とす目の下に、うっすらクマが出来ていた。寝ずに活動するなんて効率の悪い働き方は滅多にしないけれど、やっぱり忙しい時はどうしても睡眠は犠牲にされがちだ。
 少し広めのソファは、人ひとり、なんならもう一人くらいならギリギリ寝れるサイズなので、背の高い焦凍くんが寝転がってもまだ余裕がある。とりあえずベルトは寝苦しいだろうし、ちょっと緩めてあげよう。シャツも……学生時代よりパンプアップした筋肉のせいで、寝返り失敗したらボタン飛びそう。うん、ボタンだけ寛げといてあげよ。あ、寒そ〜。

「よいしょ」

 個性柄風邪を引きにくいのは知っているが、一応ね。最近また一段と寒くなってきたことだし、寝室から私用のもこもこブランケットを取ってきて、焦凍くんの身体にかけた。足先がちょっとはみ出してるけど、ま、大丈夫でしょ。焦凍くんの身長は、未だに緩やかに伸びていっている。
 赤と白の髪が混ざった額の真ん中を掻き分けて、綺麗になだらかな円を作る額を撫でた。にしても、穏やかな寝顔だ。死んだように眠ってる。よっぽど忙しかったんだろうなあ……。ちょっと久しぶり、多分10日ぶりくらい? に見る焦凍くんの顔はやっぱりかわいくて、ついツンツンと頬をつついた。ふふ、かわいい。出会った頃はまだ幼い丸みを残していた頬も、精悍な大人の男の輪郭になっている。それでも柔らかさは健在だ。

「いっぱい寝て大きくなれよ〜」

 もうかなり大きいけど。なにか喋っているつもりなのか、むにゅ、と動いた唇が、僅かに弧を描いたように見えた。……さ、シャワーでも浴びて来よう。



 頭から被ったぶかぶかのスウェットの襟元をひいて、すんすんと匂いを嗅ぐ。たまに溜めることはあれど、洗濯はちゃんとしているし、これも洗って畳んでいたものだが、やっぱり焦凍くんの匂いがして不思議だ。そんなに体臭キツイわけではないのにね。かわいいルームウェアもあるけれど、出張の間に一気に冬になってしまったせいで、秋用のしかなかったから拝借してみた。焦凍くんにはちょうどの部屋着が、袖も裾もオーバーサイズにも程があるってぐらいには余っていて、体格差を感じられてめちゃくちゃ好きだ。勝手にひとりでキュンとしてしまう。その下にはブラとパンツだけ。ま〜ね、家の中だし、スウェット着るだけ偉いよね。

「まだ寝てる」

 シャワーにスキンケア、髪まで乾かして戻ってきたけれど、焦凍くんはスヤスヤ夢の中だ。よく寝る〜。さっきのまま体勢すら変わってない。一応私たちはヒーローだから、気配には敏感な方なんだけど、そばにいるのが私なのと、よっぽど疲れていたのもあるんだろう。目を覚ます様子がない。この疲れ具合からして、多分ご飯も食べてないんじゃないかなあ、と思うから、なんか適当に作っとこうかな。190間近まで身長を伸ばした焦凍くんは、めちゃくちゃよく食べる。好物の蕎麦もいいけれど、肉をがっついてる時の焦凍くん、小さな口にいっぱい頬張るのがめっちゃかっこよくていいんだよねえ。とはいえ、それを見れるのは私だけの特権にしたい。
 冷蔵庫の中……なんかあったっけな。なんせ三日ぶりの我が家だ。記憶を掘り起こすけれど、なーんもなさそう。蕎麦のストックは大量にあるけどね。蕎麦好きを公言してはばからない焦凍くんの影響で、買わずとも全国のいろんなお蕎麦がめちゃくちゃ集まってくるのだ。ファンの方からの差し入れは禁止だけど、ヒーロー事務所同士のお付き合いとか、スポンサーの企業さんとかからね。頭の中であれこれめぐらせながら、焦凍くんの前にしゃがんで、こつんと額を合わせた。……起きないかなあ。起こすのはなんとなくあれだけど、焦凍くんが自然に起きるならモーマンタイなので。まだ夕方……ちょっと過ぎだし、買い物に行ってもいい。が、化粧落としちゃったしめんどくさい気持ちもある。

「ふああ」

 なにより、すこやかな寝顔を見ていたら私も眠くなってきた。働き詰めだったからね。うん、お昼寝しちゃお。ご飯は後でウーバーでもなんでも頼めばいいよね。

「んしょ」

 ソファに膝を付き、焦凍くんの片腕を持ち上げ、その下に寝転ぶ。少しもぞもぞと位置調整して、枕にするには硬すぎる二の腕に首を乗せた。目の前には、整った焦凍くんの顔。どれだけ見慣れていても、やっぱりクソイケメン。好きだ。大きめのソファは、ひとりで寝るには余裕があっても、ふたりとなるとさすがにちょっと手狭だ。落ちたら焦凍くんに責任取ってもらお。
 片腕を焦凍くんの胴に回すと、私の上に乗せた手が背中に回って抱き込まれる。あれ、起きたかな、と思ったけれど、目はつむったままだし、穏やかな寝息もそのままだ。どうやら無意識の行動らしい。そのまま抱き寄せられて、ふふふ、と口元が緩む。かわいい。

「おやすみ、焦凍くん」
「……ん」

 ちゅ、と顎の先にくちびるを触れさせると、少しだけむずがゆそうに眉間に皺が寄った。



 ズル、となにかを啜る音がする。しかも、耳の真横で。なにこの音。一体全体なんだっていうんだ。ううん、と身動いだら、私の身体を支えてる熱がぴたりと動きを止めた。……ん?

「しょーとくん……?」
「お。おはよう」
「はよぉ……」
「眠そうだな、わりぃ」
「ん〜……」

 ねむい。ねむいのは、ねむい。目を擦ろうとしたけれど、腕を持ち上げるのが億劫で目の前の肩に擦り付けた。んんん、とぐずると、私を乗せた焦凍くんの膝がゆっくりと上下する。あやすなあやすな。

「おはよお」
「ああ、おはよう」

 少しだけ上半身を後ろに逸らして、焦凍くんの顔を見上げた。肩にかけられていたブランケットがパサ、と床へ落ちる。反った背中には、焦凍くんの大きな手が触れて支えられた。
 ソファに落ちてた焦凍くんの腕に潜り込んで一緒にちょっとお昼寝のつもりだったけれど、焦凍くんの方が先に起きちゃったようだ。どっしり座った焦凍くんの膝に、向かい合ったままコアラみたいに抱えられている。安定感が抜群すぎて全然起きなかったな。少しだけ首を伸ばして、ちゅう、と唇に吸い付いた。あ、しょうゆ味。

「カップヌードル」
「お、すげえな。正解だ」
「ふふん、CMのオファーくるかも」

 家のカップ麺の在庫から導きだした答えだけど、正解なので企業さん、CMオファーお待ちしてます! と心の中でアピールだけしておこう。ぴょこん、と跳ねている白い髪を撫で付けると、焦凍くんがまたずず、と麺を啜った。

「お腹すいたの?」
「ああ。エビ食うか?」
「たべるう〜」
「あ」
「あ」

 ちっちゃな海老の大きめのやつを摘んで、焦凍くんが口に入れてくれる。おいしい。あ〜、カップヌードル、たまに食べるとめちゃくちゃ染みる。やっぱりジャンクは最高。それから数口、自分、私、自分、私、と焦凍くんは交互に口に運んできた。うまい。けどもういいや、ジャンク終わり。

「私のスマホどこ」
「ん」
「ありがと」

 焦凍くんに抱きついたまま、手探りでスマホを探したけれど見付からなくて、どうやらローテーブルの上に置いてたらしいそれを焦凍くんが腕を伸ばして取ってくれた。時間を見れば、まだ夜の入口だ。小一時間くらいかな、寝てたの。まだちょっとねむたい。お昼寝の眠気って引きずるよねえ。
 膝の上で横向きになって、こてん、と焦凍くんの二の腕のあたりに頭を預けた。カメラアプリを起動して、彫刻のように整った横顔を写真に収める。税込二百円程度のカップ麺を啜る姿ですら絵になるなんて、アフロディーテも想像していなかったんじゃなかろうか。ゴッゴッゴッ、と麺を食べ尽くした残り汁まで飲む姿は、たぶん世間のショート女性ファンの六割はひっくり返るだろう。四割はそんなショートもかわいい、きゅんです! になるだろうけど。散れ散れ、私のだぞ! って見せ付けてやりたくなる時もある。しないけども。

「ベッドにな」
「ん〜?」
「連れてった方がいいとは思ったんだが」
「うん」

 ごちそうさまでした、と手を合わせて、テーブルにカップを置いた焦凍くんは、よいしょ、と私に向き直った。握っていたスマホはぽんとソファに放り投げられ、その片手を取られる。長い指が私の指と絡められた。やけに神妙な顔をして、私の顔色を伺うように覗き込んでくる。

「離れたくなかった。わりぃ」
「離れたくなかったの?」
「ああ、許してくれるか?」
「ええ〜、どうしよっかなあ」

 もちろん怒ってもないけれど、わざと渋る声を出す。許してくれ、と子犬のような顔をして、額をコツンと合わせてくる焦凍くん。こんな演技がかったあざとい仕草、出会った頃の焦凍くんからは想像できないよね。確実に私の影響だなって自負している。繋いだ指先をすりすりと擦られて、しょうゆ味の唇が何度もキスをしてくる。やわく食まれる下唇の心地良さ。なあ、磨、なんて甘い声で名前を呼ばれるのがくすぐったい。

「なんでもするから、許してくれ」
「なんでもぉ?」
「ああ。一緒に風呂も入るし、マッサージも、添い寝も、キスだっていっぱいするぞ」
「うひゃあ」

 そう言いながら、焦凍くんは私の背を支えて押し倒してくる。さも私のため、なんて風に上げられた提案は、全部焦凍くんがしたいことなのも知っている。後頭部がソファの手すりにぶつかって、優しく逃げられないように覆い被さられた。長い指が顎をすくって、差し出された唇は、感触を確かめるようにやわやわと歯が立てられる。磨、磨、とどんどん砂糖を増していく声に、くすぐったくてふふふ、と笑いが溢れ出た。する、と焦凍くんの指先が、スウェットを捲って太ももを撫でる。や〜、とケラケラ笑いながら顔を逃すと、こめかみに軽く唇が触れた。耳元で、スン、と鼻が鳴る。

「風呂入ったんだな。いい匂いする」
「いつもはやな匂い?」
「おまえのならなんでもいい匂いだ」
「ふふん、そうでしょうとも……む、」

 ドヤ顔をして見せると、かわいい、と降り注ぐ口付け。もう付き合いだしてから、一般的に言われる倦怠期を迎える時期なんてとっくの昔に通りすぎているのに、焦凍くんの私への甘さは留まるところを知らない。太ももを撫でていた手が頭に触れ、するん、と髪を流していった。薄いくちびるが一度離れて、舌は、なんて艶を乗せて囁いてくる。何度浴びせられても慣れないその色気に、ギャ、と声を上げて目をつぶった。焼ける焼ける、目が焼ける。手で顔を覆うと、仰け反った後頭部が、ソファの手すりを滑り落ちた。

「? どうした」
「焦凍くんがえっちすぎる……」
「そうか?」

 そうだよ。もはやえちえちの実のえっち人間だよ。キモ・オタクみたいな言葉を使ってしまうくらいには凄かった。さすが時代遅れな抱かれたいヒーローランキングで一位を連続獲得するだけあるよねえ。
 コロン、と覆い被さられたまま、ソファの上で身体を反転し横向きになった。目を手で覆うとさあ、なんか、あくびでるよね。お昼寝から起きたばっかなのもあるけど。ふああ、とあくびをこぼすと、耳元でふ、と小さく笑う声が落ちてきた。長い指先がソファに散らばる髪を手慰みのように絡める。少しだけツンと引かれる心地がするのが、気持ちよかった。

「でも、そうだな」
「ん〜?」

 くすぐるみたいに耳に触れる唇に、うひゃあ、と笑い声をあげる。くすぐったい。こそばゆさは尾を引いて、手のひらの下で小さく笑っていたら、少し温度の低い指に手首を取られた。明るくなった視界で横目に見上げると、穏やかに愛を湛えたライトグレーとアイスブルー。その視線だけでも、愛されてるのを実感してしまい、胸の奥がぎゅう、と痛みにも似た収縮を起こす。

「だとしたら、俺をそうしたのは磨だろ」
「ウワ」

 ひどい言いがかりだ。と思うものの、焦凍はワシが育てた、みたいな気持ちもなきにしもあらず、って感じなのでなんも言えない。だって、焦凍くんの女性経験は私だけだし、恋愛として好きになる人も、後にも先にも私だけになる予定だから。

「そ、そんなエロ同人みたいな……」
「お」

 きっ、とわざとらしく睨みあげると、一瞬目を見開いた後、焦凍くんはまた破顔した。こうやって、表情がコロコロ、普通よりは薄くとも変わるようになったのも、私だけ! とは言わないけれど、私の功績が大きいという自負もある。丸い後頭部に手を伸ばして、わしゃわしゃと手触りの良い髪を掻き混ぜると、もう片方の腕も焦凍くんに引っ張られて、首の後ろに回させられた。抱き着く姿勢になった私をぎゅ、と一度強く抱き締めてから、焦凍くんはそのまま私ごと身体を起こす。再び膝の上に乗せられて、目が合うと触れるだけのキスが唇に。少し伸びた襟足を、人差し指でくるくる巻いて遊ぶと、プチン、と小さな音と共に、胸元に開放感が。あ、ブラのホック外された。

「焦凍くんのえっち」
「一緒に風呂、入ろう」
「私もうシャワー浴びたもん」
「……一緒に入ってくれねぇのか?」
「ぐうっ」

 コテン、と小首を傾げる仕草はあざとい。学習能力抜群な焦凍くんが、私から吸収した技のひとつだ。そんなあざとい仕草をしながらも、スウェットの下に堂々と入り込んできた大きい手がブラを外していく。まだ許可もしてないのに。

「……ちょっとお腹空いた」
「ああ、じゃあ先に飯食うか?」
「う〜ん」

 肩紐を外されたブラが、ずるんとスウェットの下から抜かれて、無造作にソファの端にかけられる。ノーブラになった胸に服越しに顔を埋めながらの焦凍くんの提案に、唸った。飯、と言うけれど、買い物行くの投げ出しちゃったんだよな。この人さっきカップ麺食べてたけど、まだまだ成長中の焦凍くんにとったらあれくらいオヤツにしかならないことを知っているので胃袋の心配はしていない。綺麗な顔に似合わず、体格に見合った大食いなんだよねえ。そんなところにもきゅんきゅんしてしまうんだけども。すーはー、と胸に顔を埋めて癒されているらしい形の良い頭を撫でる。ブラは硬い感じがしてあんま好きじゃねェ、らしいよ。赤と白の頭を見つめていたら、なんかもっとお腹が空いてきた。うん。

「……ウーバーしよう!」
「いいな」

 いいな、なんて言いつつ、焦凍くんは無遠慮にスウェットを捲りあげてきた。日に晒されない真っ白なお腹に、ちゅうちゅうと吸い付いてくる。

「も〜、全然聞いてないじゃん」
「ん? 聞いてるぞ。……まあ、この時間だからどうせ混んでんだろ」
「それはそう」

 自分のスマホに手を伸ばしても微妙に届かなかったので、焦凍くんのスマホを勝手に弄ってウーバーのアプリを開く。壁紙がまた私に変わってた。私から私へ交代だ。いつの間に撮ったの? みたいな写真も多いからたまに恐ろしくなるんだよねえ。

「風呂ためてくる」
「はあーい。……あ、私も入んだ、やっぱり」

 まあいいか。お風呂は浸かってないから、お湯浸かるだけ浸かろ。あ、入浴剤も入れたい。パンツ履いたばっかだからそれだけもったいない。スマホを持ったまま寝室へ向かって、クローゼットから私と焦凍くんの着替えを取り出す。今日の晩ごはん、何にしようかなあ。
 海鮮丼、アリ。ビビンバ丼、食べた〜い。焼き鳥、あ、めっちゃおいしそうこれ。牛串食べたい。タピオカ……はご飯じゃないし、クレープもご飯じゃないので却下。ローストビーフも良い。中華もいいなあ〜。餃子食べたい。家にお酒あったっけ……あ、あるわ。エンデヴァーさんとこから冬のお歳暮でいただいたお酒が大量にあった。え〜、もう決まんない。どれも一時間くらい待つし、全部食べたいから。焦凍くんに決めてもらお。

「しょーとく〜ん」
「ん、どうした」
「なにたべたい? 丼、丼、餃子、肉」

 シャワーで浴室を洗っている焦凍くんの背中に突撃して、スマホの画面を見せる。ほぼおんぶみたいになった私の太ももに片手を回して、シャワーを止めた焦凍くんは、ちょっと待ってろ、とお風呂の湯張り開始ボタンを押してから、画面を覗き込んだ。ぴたっと動きを止める焦凍くんに、画面をスクロールしていく。

「よいしょ」

 ずり落ちそうなのでおぶさり直すと、今度はしっかりおしりの下に腕が回された。すぐ近くにある顔が少しだけ振り向いて、薄灰の瞳がジッと見つめてくる。

「餃子だな」
「おっけーい」
「天津飯も食う」
「焦凍くん今日中華だねえ」
「そうか? ……そうだな」

 さっき食べてたのもラーメンだ。味付けとか見た目とか、もはや日本のものになっているけれど。餃子は三人前、天津飯に春巻、唐揚げ。焦凍くんのチョイスをタップしてカートに追加していく。

「ごま団子たべたい」
「いいんじゃねえか?」
「半分食べてね」
「ああ」

 それから私のごま団子。これでいい? と聞いたらうん、なんてちょっと幼い返事が。かわいい。そのまま決済に進んで、待ち時間は一時間と十五分。だいたいこういうの、ちょっと早めに来るけれど、お風呂に入ってちょうどいいくらいだと思う。
 肩に顎を乗せると、焦凍くんが少し不思議そうな顔をする。それから、すぐに綻んだ目元は、優しくて、甘く蕩けていて。そのくすぐったい甘さに、ふふ、と笑ってしまいながら、ぎゅうと抱き着いてキスをした。



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