act17 試合しよう





「ねーいつ戻るー?」

「俺午前中ずっといたいC!」

「俺もー」

「……私そろそろ戻りたいなー、なんて…」

「もー優子空気読めてなーい!」

「お前に言われちゃおしまいだな」



くつくつと楽しそうに笑う瑞香に理沙は「どーゆー意味だ!」とラケットを突きつけた。
ジローは急に何か思い立ったかのように立ち上がると瑞香の隣に立ってダブルス対決しよー!と二人に声をかける。



「いいねぇ、ジロー俺と組むか」

「おう!絶対勝つぞー!」

「そっちが勝つに決まってんじゃあん!!」

「え、私もやるの?」

「勿論。鍛えてやるよ、し・ん・ゆう」



親友って言われてるのにあんまり嬉しくない!と優子はにやりと笑う瑞香を見ながら思った。
「サーブはやるよー!」と言ってボールを送ってきた瑞香に優子は仕方なしにそれをぱしっと受け取る。

しょうがない、と思いつつ内心楽しみだったりする優子がボールをあげた、




「テメェ等!何時間やる気だ!」

「わっ」




優子がびっくりして落としたボールがとんとんと転がっていく。
慌てて入口を見ると最近はすっかり見慣れてしまった二人の姿があった。



「あっ、跡部と宍戸だ!」

「ジロー、お前までサボってんじゃねえよ」

「俺いっつもサボってるC」

「ぶっは、お前ジローがサボってたこと知らなかったの?!だせぇ!アホ部ダサい!激ダサだな!」

「俺の真似すんな!」

「ちょっとぉー、今理沙たち良いとこだったんですけどぉー」



理沙が足をコートにだんだんと音をたててぶつければジローがそうだった!と言ってコートに戻った。跡部は四人の立ち位置を見て、あーん?と言う。



「何だ、ゲームするのかよお前等」

「おうよ、ダブルス対決ー」

「はっ、つまんねー試合にしてくれるなよ」

「はぁ?」



跡部はそもそもこの四人を教室に連れ戻しに来た訳なのだが、忘れているのかそうでないのか観戦モードとなっていた。



「あのさぁ、お前いっつも偉そうなこと言ってっけど強いの?」

「あーん?生言うんじゃねーよ」

「悪いけど、俺強いから」

「どうだかな」

「へー、じゃあ勝負するか?」

「あーん?」

「優子、跡部と代われよ、疲れてるんだろ?」

「え、うん」

「お前理沙の方入れよ、ジローはハンデとして貰っといてやる!」

「えー!瑞香ひどE!」

「うそうそ、お前のボレー期待してるよ」

「理沙ズッキーニと?!マジでか!」

「…相手してやるが今回限りだぜ、アホ女。」



跡部は優子のラケットを借りて理沙のコートへと入った。「跡部も挑発に乗りやすい奴だな」宍戸は小さく呟いた。
やはりサーブは跡部の方へ譲ってやると言った瑞香に、跡部はボールを跳ねさせながらにやりと笑った。




「後悔、するなよ!」







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