ルフレやルキナ、お姫様たちと共に美味しいご馳走を堪能し、幸せな気持ちに満たされた。
本当に美味しかった……お腹一杯だ。これでお腹が鳴ることはもう無いだろう。

ゆっくりとお腹を撫でていると、お上品に口許を拭いていたゼルダとピーチが不意に立ち上がった。



「それでは私たちはこれで」

「また後でお喋りしましょう」

「あ、うん!」



にっこりと手を振る彼女たちが扉から出ていくのを見送る。
何を考えてるかよく分からない彼女達だが、やっぱり普通にしてると本当に綺麗なお姫様だ。

思わずにやけてしまいそうになる頬を押さえて下を向いていると、数人の足音がこちらに近付いてきた。
そしてそのままこの席の前で止まる。

今度は誰だろう?と思って顔を上げれば、キョロキョロと辺りを伺う金髪の青年と、こちらを見下ろす緑の服に帽子を被った金髪の青年の姿が写った。
更にその後ろにも青髪の屈強そうな男性が居る。



「やぁ、リンクにシュルク、それにアイクも」



思わず目をぱちぱちと瞬かせて固まる私だったが、相席していたルフレが彼らに挨拶する声でハッとした。

そう、あのリンクとシュルクとアイクが目の前に…!!なんだこれイケメン大集合??!



「はぁ、やっと行ったか…」

「彼女達が居ると話し掛けられないですもんね……えっと、リノさんで合ってますよね」

「ぇあっ?!はいっ」



突然声を掛けられたものだから声が裏返った。
恐る恐る彼らを見るが特に気にした様子もなく、リンクとシュルクからは爽やかな笑顔を頂きました。
やばい惚れる。



「僕はシュルクです!」

「俺はリンク。でこっちがアイクだ」

「宜しくお願いしますね!」



シュルクに手を差しのべられ、握手だろうと理解しこちらも握ろうと手を伸ばす。
しかしもう少しで触れそうな所で、突然隣から腕を捕まれてしまった。

吃驚して隣をみれば、ルキナがなにやら男子達に威嚇していた。



「ゼルダやピーチの言う通りです!来ましたね害虫!!リノ、騙されては駄目です!彼らは甘い顔でリノを誘惑し、人気のない所に連れていって如何わしい事をするつもりです!!」

「しねぇよ!?」

「しませんよ!?!」

「あんたの頭の中が如何わしいわ」



ルキナのとんでもない発言に顔を真っ赤にして全力で否定する二人を横目に、冷静にツッコミを入れる。
少し彼女に慣れてきた。アイクなんか無反応だし。

ついでにとルフレの方をチラリと見てみれば、「どこでそんな言葉を覚えてしまったんだいルキナ…!」と呟きながら頭を抱えていた。

そんな彼の苦悩など露知らず、彼女の暴走は止まらない。



「男は皆ケダモノだとピーチが言ってました。本当はリノにあんな事やこんな事をするつもりなんでしょう?!そんなのルフレ以外許しません!!」

「三人はこの後予定はあるかい?よかったらリノさんを案内してあげて欲しい。僕はちょっとルキナと話したいことがあるから」

「あっ、ルフレ?!あの、どこへ…!!」



ルフレは自分の名前が出た途端勢いよく立ち上がり、とても良い笑顔でルキナの首根っこを掴んで食堂から出ていった。

…三人の返事も聞かずに。

私達は唖然としながら彼らが出ていった扉を見た後、顔を見合わせた。



「……ルフレも苦労してるなぁ」

「苦労しすぎて白髪になっちゃったのかな」



彼女は多分あれだ。
ピーチとゼルダに洗脳されている。

ひっそりとルフレに色々と頑張って!と心の中で応援しておいた。



猪突猛進お姫様!

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