「ねえねえ、南くん!」

コロコロとした可愛らしい声で俺を呼ぶのは隣の席のなまえだ。
隣の席になって初めて分かったことだがなまえは少し変わっている。
言動はふわふわしてるし、妙に危なっかしいし、ノートにはらくがきがいっぱいで板書なんか一切してない様子だ。


「ん、どうした?」

「ねえみてみて!可愛いでしょ!私が作ったんだよ」


えへへと、緩みきった顔でなまえはノートを見せてくるけどそこには折り紙で象られたよくわからないものたち。


「なんだよこれ、」

「えっとね、これがぶどうキリンさんで、その赤いのがフラミンゴうさぎさん!」

「…」


訂正、変わっているじゃない。多分、なまえは俗に言う電波さんなんだろう。きっと、出身もなんとか星で地球にはりんごの馬車に乗ってきたなんて言ってのけるんだ。


「…可愛くなあい?」


…そうあからさまにしょんぼりするなよな、なんだか俺が悪いことをしたみたいに胸が痛くなった。なんだかんだで俺はなまえに甘い気がする。
そして「これとか派手でいいよな、」と黄色くて一番派手なやつを指差した。(名前はたぶんなんとかライオンくんとかなんだろうな。)

するとなまえは「ほんとに?やったあ!」なんて授業中なのに大きな声で言うもんだからクラス中の視線が俺たちの方に向けられるわ、担任に怒られるわでなんだか恥ずかしい。
だけど不思議と嫌な気はしなかった。これも電波さんの特殊な力なんだろうか。





電波さんと南くん




20110114 私は電波さんを履き違えてる気がする。





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