さっきから冷えた指先が痺れてしょうがない。
擦りあわせて生まれる摩擦熱はあっという間に夜へと消えてしまった。


「はあ、」


ふるり、と隣で寒さに震える小さな身体。力を加えたら崩れてしまいそうなこの非力なものを俺はどうしようもなく守りたくてしかたがない。


「寒いな、」

「そうだね…寒すぎて感覚なくなっちゃった」


そう言いながらえへへ、なんて鼻の頭を赤くしながら笑うなまえ。
電灯にふんわりと照らされるなまえの睫毛や潤んだ瞳までもを、拐ってしまいたい。誰も触れられないところになまえを置いておきたい。
なまえに触れられる夜さえ、ひどく憎たらしく思えた。


「このまま一緒にどこまでも行ければいいのにな」




宇宙の向こう側まで走ってみようか
(それはまだ幼かった僕達の話。)


20110111 短くまとめる練習!





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