盗撮が犯罪って知ってますか? その2 1/3
ーーーーースティッキィ・フィンガーズ!!!!
玄関傍の靴箱付近から、ジッパーが現れた。
ジジジジジ…
ジッパーを開ける音が、静かな部屋に響く。
そのジッパーの音と共に現れたのは…
「ブ…ブチャラ、ティ…」
スタンド使いよ、そう声に出そうとした言葉は、空気となって音にならなかった。
「ゆきっっ!!!!!てめぇ…覚悟は出来てるんだよな???」
ブチャラティは苦しんでいるゆきの喉をスティッキィ・フィンガーズでジッパーにし、スタンドの手から離す。
支えを失ったゆきの体は、そのまま床に倒れそうになるが、ブチャラティがそっと抱きかかえる。
「大丈夫かゆき!!!!」
心配そうにゆきの顔を覗き込むブチャラティ。
「だ…大丈夫よ。ブチャラティ、助かったわ…。」
ゲホゲホと空気を吸い咳き込む。
ブチャラティがもし来ていなければ…
そう思うと、ゾッとする。
「ナランチャがさっきのスタンド使いを追っている。今頃始末してくれてるだろうな。しかし…ゆきの後を追って来てよかったぜ。」
「そっか…ナランチャが…。」
そうほっとした様に告げるブチャラティを見て、気が抜けたのか私は意識を手放した。
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