スキンシップじゃなくてセクハラです 1/3
ここはイタリア、ネアポリス。
明るく美しい街並みと、暗く危険な姿が背中合わせになっている。
美しさと、不気味さ。
その街のコントラストが、より一層この街の美しさを引き立たせるのだろう。
「うわぁ!!!!やめてくれぇ!!!俺は本当に何もしらねぇんだ!!!!」
屈強な強面の男はその姿が嘘のような、まるで怯える子うさぎのように震え上がっていた。
「俺はただ、頼まれただけだ!!ほ、本当だ!!!!信じてくれぇっっ!!!!」
「知らない。第一あなたがここにいる理由なんてのは、どーでもいいの。」
「っ!や、やめてくれ…」
「あなたが、今この場所にいるっていうのがアウトなのよねぇ〜。私も、頼まれててねぇ…。」
ふぅ。っと軽くため息をつく。
「だいたい、ここはうちらが仕切っているのに、変な取引なんかしてるあなた達が悪いのよ〜」
取引を見れたからか、それともその男が元々暴力的だからなのか、いきなり殴りかかってきた。
また面倒くさそうに、ひとつため息をこぼす。
「まぁ、くだらない世間話は置いといて…。
ーーーーマリオネット・ドール!!!!!!!」
「っな、なんだってんだ!???か、体が…勝手にっ!!!!!!俺の体が!!!勝手に動くっ!!!!」
男はその腰に忍ばせていたナイフを握りしめる。
そして、徐々に首元へと近づけていく。
「ち、ちくしょう!!!!!勝手に、勝手に動きやがる!!!!ちっくしょおおおぉぉぉぉっっ!!!!」
男は悲鳴を上げ、叫び続ける。
「ーーーっうわあぁぁぁぁぁ!!!!!!」
屈曲な男の体が、前のめりになった。
首からの出血が多いのか、男の周りはすぐに血溜まりになる。
「私のマリオネット・ドールは、触ったモノを操れる。あなたが、突然殴りかかってこなければ…こんな事にはならなかったかもね。」
さてさて、任務完了っと。
ぐぐっと伸びをし、女は路地を去る。
路地から一歩出れば、美しくざわざわと賑やかな街並みへと変わる。
いつも通り仕事の報告をする為、いつの間にか集合場所となりつつあるバールを目指す。
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