寝る前の/ジョルノ
まだ少し肌寒い、春が始まったばかりのこの季節。恋人のジョルノとゆきは、折角のキングサイズのベッドを持て余していた。
「う〜、寒いよジョルノ…もっと引っ付いてよ〜!」
「ゆきが寒がりなのは知っていますが、ぼくは結構暑いんだ。…というかゆきの冷たさが今丁度、気持ちがいいです。」
「え〜そう?なんでいっつもジョルノって暖かいの?こう、なんて言うか、本当、落ち着くって感じ…」
お互い向かい合わせで先程よりも距離が近くなり、ゆきはジョルノの胸元へ気持ち良さそうに擦り寄る。
まるでネコみたいだなと思いながらジョルノは自然にゆきの背中へ手を回し、優しく、しかし力強く抱きしめる。
「うふふ、暖かい、ジョルノ!」
「はい、なんですか?」
「ふふ、好き!」
「知ってます。…ぼくは愛していますよ。ほら、早く目をつぶって下さい。明日も朝早いんじゃあないですか?」
朝の苦手なゆきを気遣い、ジョルノは目を閉じながらそう優しく声を掛けた。
「はーい。あ、忘れてた、ジョルノ?」
「はいはい、なんです?」
ゆきの呼び掛けに薄ら目を開けようとしたジョルノだが、突然の唇の柔らかい感覚に瞬時に大きく瞳を開く。
ジョルノの視界に入るのは、薄暗いながらも月明かりに照らされてしっかり見えるゆきの顔。薄らと頬を染め、優しい微笑みでジョルノを映していた。
ジョルノは心臓が熱くなるのを感じた。その姿はまるで…
「ん?なんか言ったジョルノ?」
「いいえ、なんでもないです。お休みなさい、ぼくのゆき。」
「えへへ、お休みジョルノ。」
ゆきは再びジョルノの胸元へ顔を埋める。瞳を閉じれば、お互いの温もりを感じながら微睡みへと溶けていく。
寝る前の 夢の中でも再会を望む
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