会いたい
ちゅんちゅんと、可愛い小鳥達がさえずり合う爽やかな朝。
のそのそとベッドから起き上がる。そしてぐぐぐっと背伸びをすると、息を吐き出す。
隣にある筈の温もりはもう既になく、冷たくなっていた。
「…ブチャラティ。」彼はおはようもなく、行ってきますもなく、静かに家を出ていった。
優しい彼らしい、気遣いなのだろう。私の事を一番に常に考えてくれている。だからこそ、静かに家を出ていくのだ。
ゆきはブチャラティのいない一日の始まりが嫌いだった。なぜなら12時間もの間、会うことが出来ないから。
きっとゆきがうさぎだったならば、もう寂しさで死んでしまっていることだろう。
「寂しいな。」
あと12時間。
カチカチと響く時計の音が、より虚しい気分へと導いていく。寂しいと言えばブチャラティは私の望む願いを叶えてくれるだろう。
でも、だからこそ。我儘なんか言いたくなかった。
カチカチカチ。
早く帰ってこないかな。なんて、1人には広すぎるベッドの上で、膝を抱え顔を埋める。
たった6時間前に「おやすみ」とキスを交わしたばかりなのに。会いたい
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