教えてあげない! 1/6


ここはネアポリス一帯を仕切るギャング、パッショーネの隠れ家である。


しかし隠れ家と呼ぶには少々立派であり、こだわり抜かれたであろう家具達が、お洒落に配置されている。


そしてそこには大きいソファーなのにも拘わらず、身を寄せあって座る男女の姿があった。


「はい!あーん!」

みずみずしいイチゴを男の口元へと持っていくのは、パッショーネの紅一点ゆき。

「あ〜〜ん!」

そうイチゴを口に含め、幸せそうにデレデレ鼻を伸ばしている男は、グイード・ミスタ。


どちらもネアポリス一帯を仕切るギャング、パッショーネの一員である。


そこから少し離れたテーブル席には
チームのリーダーブチャラティを始め、フーゴ、ナランチャ、アバッキオ、そしてジョルノが退屈そうに座っていた。


ミスタとゆきが人目をはばからずイチャコラしているのはいつもの事である。


が、集まる度に見せつけられるというのは中々面白くないものであった。


「あっ!もう、私の指まで食べないでよっ」

「わりぃわりぃ、イチゴよりゆきのが美味そうに見えたもんでよォ!」

「んも〜!ミスタってば!」

ほっぺたを赤らめるゆき。
それを優しい瞳で満足そうに見つめるミスタ。


二人の周りには、大量のハートが撒き散らされており、むせ返りそうな甘々な雰囲気が漂っている。


5人はそんな2人を冷めた目で見つめ、もっぱら最近彼らの間で話題にあがる"あの話"をし始める。

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