花束を君に 1/2
よく晴れたとても気持ちがいいお昼。
ポカポカと暖かい陽気に照らされ、ゆきの心も暖かい気持ちになっていた。
今日は久しぶりに大好きな彼と会える日。
ゆきは公園のベンチに座って、彼を待っていた。
街のギャングである彼は忙しい人である為、頻繁には会えないのであった。
それが寂しいかと問われれば寂しい。
だが会えば会うたび、彼はありったけの愛情で私を包み込んでくれる。
今までの寂しかった思いなんかは、吹っ飛んでしまうのだ。
「お待たせ、ゆき。」
後ろから自分を呼ぶ声がし、振り向く。
そこには、花束を抱えたブチャラティがいた。
「これをゆきに。 花屋の前を通ったら、まるでゆきの様な花を見つけてね。」
そう、花束を渡すブチャラティ。
「あ、ありがとうブローノ…」
花を受け取り頬をピンクに染めるゆき。
ブチャラティは、しなやかな動きでゆきの隣へと座る。
「こんな綺麗な花みたいだなんて、相変わらずブローノは大袈裟なんだから!」
花の匂いをかぎ、優しい香りに癒される。
「大袈裟なんかじゃあないさ。俺から見た君は、この花に負けないくらいとても魅力的なんだぜ?」
ぼぼぼぼぼ!っと音が聞こえそうなくらい真っ赤な顔になるゆき。
「あ…ありがとうブローノ。」
相変わらずブチャラティは恥ずかしげもなく、さらりとゆきを照れされる言葉を紡ぐ。
そしてその度顔を真っ赤にするゆきだったが、ブチャラティはその顔を見るのが好きだった。