夢であるように 1/1
真夜中、私の隣には恋人のブチャラティが眠っている。
思わず、ブチャラティの呼吸を確かめる。
ーーーー生きてる。
私はなんて夢を見たのだろう。
ブチャラティが、死んでしまう、夢なんて…
ひやり。自分のこめかみから汗が流れる。
どうやら寝汗でびしょびしょのようだ。
服の袖で、流れる汗を拭う。
「…ん、ゆき?どうしたんだ、こんな時間に…」
ブチャラティがそっと目をあける。
「ブチャラティ…。」
ブチャラティの目が開いて、ほっとする。
「そんなに汗なんかかいて…どうしたんだ??」
そういって体を少しだけ起こして、ゆきの頬をさわるブチャラティ。
「…ちょっと、怖い夢を見ただけ…。夢でこんなに怖がるって、私、子供みたいね…。」
「なに、ただの夢さ。夢なんてものは、現実に起きやしないんだから。」
そう告げ、ブチャラティはゆきを抱きしめる。
「そうよね。ただの、夢、だよね。」
ゆきもブチャラティの体をギュッと抱きしめ返し、2人で布団へ横になる。
「まだ夜中だ、もう一度寝よう。」
そういってブチャラティはゆきのおでこへと軽いキスをする。
「…うん。おやすみ、ブチャラティ。」
「おやすみ、ゆき。」
ブチャラティに抱きしめられて寝たおかげで、もう嫌な夢は見なかった。
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「そういえばゆき。昨日怖い夢を見たと言っていたが、どんな夢だったんだ?」
「それがね、思い出せないのよ…。不思議だよね。あれだけ怖かったはずなのに…」
「よかったじゃあないか、もう怖い思いをしなくてすむぜ?」
ーーーーーどうか、このままブチャラティとずっと一緒にいれますように…。