おはようが聞きたくて 1/2
ぼくの名前は、ジョルノ・ジョバーナ。
この街のギャング、パッショーネの一員である。
ギャングといってもこの街じゃあ、誰もギャングと分かるような行動はしちゃあいない。
僕は日課になりつつある、朝食を食べるためにお気に入りのバールへと足を運ぶ。
「あら!ジョルノじゃない!」
チャオ!っと可愛らしい声で挨拶をしてくるバールの店員さん。
名前はゆきさんという。
「ゆきさん、チャオ!相変わらず今日もお綺麗です。」
「ふふ、ありがとうジョルノ。そんな事言ってもなぁんにもでないよ〜!」
ふわり、と花が咲くような笑顔で微笑むゆき。
「さぁジョルノ、席に座って!とっておきのドリンクを用意するね!!!」
そう僕に告げ、ゆきさんは店の奥へとかけて行った。
このバールはいわゆる隠家をテーマにしてある、名前の通り知る人ぞ知る、落ち着いた場所なのである。
お客も数える程しかいない為、店員であるゆきが1人で食事やドリンクを用意している。
しかし、潰れないのはゆきの作る食事がおいしいから。
もしくは、その可憐な美しさを拝むためにリピートしてくる客が多いからか。
恐らくどちらでもあろうが、客足は途絶えないのだ。
そしてジョルノもこの店の常連で、更にはメニューですらおまかせとなっている超vipな常連客なのだ。
「お待たせジョルノ!今日はパニーニと、ジョルノの好きなチョコレートをたっぷり使ったチョコラータよ!」
「とてもうまそうです!ありがとうゆきさん。」
「ジョルノはいっつも喜んで食べてくれるから、私すっごく嬉しいな〜!」
僕は、そうやってゆきさんが僕の事で喜んでくれることが嬉しいです。
とは伝えずに、微笑んだ。