いつでも一緒! 1/6


先程、今日与えられていた分の任務を終え、チームのアジトとして使用している隠れ家へと戻る。


いつもよりも簡単な任務であった為、比較的疲れもなく軽やかな気分でアジトの扉を開けた。


「ゆきちゃんが戻りましたよーっと!」

入り口でそう告げると、目にもとまらぬ素早い動きでソファーから何かがこちらへ向かってくる。


そして全身に軽い衝撃と包み込まれる感覚。

ゆきは瞬時にその何かを誰かと理解した。


もうすっかりお馴染みとなっている、愛するミスタの恒例行事。


きっとミスタなりに、任務から帰ってきたゆきを癒やしてくれようとしているのだろう。

と、ゆきはその行為を解釈していた。


事の始まりは、誰が言い出したかミスタの好きなところを言えというチームの無茶ぶりな問いからだった。


当然言いたくないゆきは適当に誤魔化したのであったが、まさかの本人が大まじめに捉えてしまい、今更もう後に引けない状態になってしまったのだ。


もちろん、飛びっ切りの愛憎表現とミスタらしい直球の行動は嬉しくて、とても愛しい。


・・・嬉しいのだが、唯一わがままを言う事を許されるのならば、愛情表現の場所を選んで欲しいという事ぐらいである。


「今日は早かったんだなァ、ゆき!!凄いぜッよしよししてやる!さすが俺のゆきッ!!!」


そう告げるミスタも先程任務を終え戻ってきたばかりなのだろう、男らしい香りが鼻をかすめる。

「ミスタこそ、お疲れ様!」


ゆきとミスタとの身長差で丁度脇ぐらいの位置にゆきの顔がくるのだが、ミスタの脇の隙間から毎回白けた目を向けてくるチームの皆と目が合うのだった。


「イチャつくならよそでやれ」なんていう視線がビシビシとゆきに容赦なく突き刺さってくる(主にアバッキオとフーゴから)


チームの中でもジョルノの次に新入りなゆきは、中々その視線が苦手なのであった。


本日も絶好調に視線を向けてくるフーゴとアバッキオに苦笑いを向ける。


すると後ろでドアが開く気配を感じ取る。

「・・・またやってるんですか、あなた達は。」


きっとあきれた顔をしているであろうジョルノの顔が頭に浮かぶ。


「なんだよジョルノ!・・・おっとそう羨ましがるんじゃあねェ。残念だがよォ、ゆきと俺の愛を邪魔出来るヤツなんてものは、この世に存在しちゃあいねぇんだからな!」

ガハハと、楽しそうに笑うミスタ。


「・・・ミスタ、君って人は…なんて幸せな人なんだ。」

そう呟き、ゆきとミスタの横を通り過ぎ、アバッキオやフーゴ達がいるソファーの元へと歩いて行く。

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