10
 

2日目です。
朝ごはんから秋刀魚。贅沢!美味そう!!ご飯に味噌汁、納豆に出汁巻き〜サラダもあるよ!朝ごはんはマネのお仕事。頑張りました!

・・・ノヤっさんは早起きだ。ぺちゃノヤでご飯来て欲しいのに。ぺちゃじゃなくても充分可愛いけど。とかどーでもいい事考えてたらあっという間に時間が過ぎる!!ドリンク作って洗濯だ!

マネ仕事の合間を見つけては烏野を見に行く。まぁ、良い感じに負けまくってる烏野。だけど、挑戦し続ける事に意味がある。ここで、どれだけ負けても次がある。そんな彼らを見守るのが楽しい。

私は、私に出来る事を。


「森然高校の父兄の方から差入れでーす。」


女子とは強かである。しっかり自分達の分は冷蔵庫で冷やしてある。ふふー。

「ゴミはここへ。塩欲しい人ー?」
塩かける派少ないし!
「翔ちゃん塩は?」
「いるー!」
「エ"ッ」
「・・・研磨くんはいる?」
「いや・・・かけた事ない・・・」
「無ぇの?うめーべ!」
「・・・いらない・・・」
「あははっ!そんな顔しなくても!」

凄い顔してたな研磨くん!うける!
「スガちゃん塩はー?」
「塩?!」
「美味しいよー!一口分かけてみる?」
「大地は?」
「じゃあ一口分試そうかな。」
「はぁい!」

一部かけてあげる。反応は、普通だ。面白く無い・・・。

「・・・面白い反応期待したろ、今」
「エーソンナコトナイヨー」
「ふはっ嘘だろ」

わー大地くんと久しぶりに話した気がする。
部活の話以外であんまり話す事無かったなぁ。
・・・嬉しいなぁ。

「あー・・・スマン」

黒尾さんが来た。そーいや昨日のツッキーの話から、冴子さん情報で月島のお兄さんが小さな巨人と同学年で、バレー部だったって話が出るんだよね。

冴子さん、一回も見て無いから月島って子がいる事知らないよね。つまり田中家でツッキーの話してない・・・。え、これ私言うべき?
でもここでしか出なかったよね。大した事じゃないし、無くていいかな。だから何だって話だし、だから何か影響がある訳でも無い・・・よね。いいいかなー無くて。

という脳内会議の結果、無しで!!

「・・・さちさん、ちょっといいですか?」
「グッチー?どうしたの?」

何故か山口に呼ばれた。ここじゃちょっと、な顔だったので、少し離れる。

「どうしたの?そんな深刻そうな顔で。」
「あのっ・・・ツッキーの、事で・・・」
「うん、どうかした?」

顔ではいつもの笑みを浮かべながら、内心ドッキドキである。何で私?!

「ツッキー、バレーが嫌いな訳じゃ無いんです。嫌いなら烏野に来ないはずだし。その、俺・・・」
「・・・ツッキーにもっと必死になって欲しいの?」

小さく、コクリと頷く。

「・・・さちさんなら、何て言いますか?」

えぇ〜・・・ここで私に来るかぁ・・・。




「んー・・・私は何も言えないなぁ。」
「え・・・」
「だって、ツッキーのこと、よくわからないから。彼がバレー好きな事はわかるよ。でも、何で頑なに一線引くのか、誰と何があったのか知らないから。」
「っ!」
「でも、グッチーなら、大丈夫だよ。」
「!」
「貴方が思う事、真っ正面からぶつければいいんだよ。誰かの言葉じゃなく、貴方の言葉を。」

誰よりもツッキーと一緒にいた、貴方の言葉だから、届くんだよ。


「大丈夫だよ、絶対。ね?」


山口は、自分を下に見るというか、マイナスにみる所がある。だけど、本当は誰よりも負けず嫌いで、誰よりも上達したいと思ってるんだろうな。だからたった1人、嶋田さんの所へ行ったんだろう。1人で、なんて誰よりも勇気がいることなのに。


だから私の出来る事は、彼の背中を押してあげる事だ。



「おーいそろそろ始めるぞー」

「あっ時間だ!」
「あっ!あ、あのっ!ありがとうございました!!俺、頑張ります!」

・・・うん、大丈夫そう、かな?
こんな事しか言えなくてごめんね。だけど必ず通じるからね。



・・・とか言いながら気になって仕方が無いので第3体育館付近でこっそり待機。すぐ側に入り口があるから、光が漏れてて・・・うぅ、虫が・・・嫌いなんだよひっくり返すと腹筋割れてる虫が!!!カブトとかセミとかGとかっ!!
早く来て〜!!


「ヅッギィィィィィ!!!」

きたー!良かったぁぁ!!!私の居る場所もベストだわ!ナイス私ー!やー良かった!!もーグッチーが私にツッキーの話なんかするから心配だったんだよー!良かった!さぁ、後はツッキーが第3体育館に来たらこっそり戻っ・・・・・・




その瞬間、私は、ひゅっと息を飲んだ。







肩に


















ダダダダダダ

真っ先に目に入ったのは、黒髪に赤Tシャツ


もはや形振り構ってられなかった。
そのままその人にタックルだ。


「ぅおおお?!?」
「くくくくくくくくろおさ、と、とってとって!!!!!」
「「なんだぁ?!」」
「さちちゃん?!おーおー随分情熱的〜」

ぎゅー。

「とってとってとって!!!!」
「あ?なに「虫!!肩!むし!!!」」
「むし?ぅおっオオカブトじゃん!デケェ!」
「とってとっておねがいぃぃい!!!」
「さちちゃん虫嫌いなの?・・・俺的には役得なんだケドー」
「うわぁぁおまっばかばか!とってとってとって!!!!」
「・・・ハァ」
「あっ赤葦ー何すんだよー」
「ったく、さっさと取ってあげたらいいでしょう。」

あぁぁぁぁぁぁ死ぬかと、死ぬかと思った・・・赤葦さん神・・・!!!!って

「離せ!!!」
「えー残念」

顔を上げるとそこには大変ニヤニヤしている黒尾さん。
ふ、不覚っ・・・・・・!!ぐいっと浮かんだ涙を拭う。

「赤葦さん神っ!!!ありがとうございますありがとうございます!!」
「!・・・イ、イエ・・・」
「ぶはっ赤葦に引かれてる!」
「黒尾さんなんか嫌いだ!!」
「ぶっひゃひゃひゃひゃ」

はぁ・・・疲れた・・・


「・・・何やってんですか・・・」


ぎゃあツッキー!!
来てしまった!!

「じゃ、じゃあお邪魔しました!!」


もー虫めぇぇえ!!!!!!!
でも、これで多分大丈夫、だよね!頑張れツッキー!!!








「さち・・随分疲れてるみたいだけど・・・」
「・・・うん・・・ちょっとね・・・」


前へ 次へ


 
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -