今日は朝からりずに颯太と二人でお呼び出しです。
「ここ座んなさい!」
『りず?どーしたの、そんなに怒って』
「ズバリ聞くけど…颯太先生と付き合ってるの?!」
「えっ!?」
見当違いなことを仰ってる…
りずに先生のこと好きなのかと問われた颯太が、だっだたどうする?と挑発したところ猛反対のりずを見てむっとした颯太が反抗期のように先に部屋を出て行ってしまった。
『…りず、許してやって。最近あの子反抗期でさ』
「…そ、颯太…」
りずも置いていかれて抜け殻のようになっていた。
次の日、珍しく起きたら颯太がもう学校に行っていた。 登校してからも颯太と話す時間もなく、一人で行動していた。
(なにか企んでるな)
そう確信はあったけど(長年の感)偵察するのが面倒なのもあったのでしばらく泳がせておこうと思った。
ら、
ーバチーン!
「ちょっとこれどういうことよっ?結婚するから私とは終わりにするって!?」
授業中に突然女性陣が乗り込んできて吾妻先生のほっぺたに平手打ちをかました。 昨日の吾妻先生が本性なら六股もあり得そうだな。
「生徒には手を出さないって信じてくれなかったのかな」
「んなもんできっかよ」
「でもさぁ僕もやられてるばかりじゃないんだよね」
授業を抜け出した吾妻先生と颯太が何やら揉めてる。
『颯太、もうその辺にしときな、他に先生が来るよ』
「っ歩…あぁすぐ行く」
「…君、本当に欲張りだよね」
颯太を呼んで、先に教室に戻るつもりだったのになぜか私は今、吾妻先生の腕の中にいる。
「弟くん、俺のこと好きになっても知らないよ?」
『…なる訳ないでしょ、弱み掴んだからって冗談やめてくださいね。颯太行くよ』
ぐいっと腕を押し返して颯太の腕を引っ張ってその場から離れた。
びっくりした。 いつも颯太に抱き着かれたりしてるはずなのに、同じ男でも全然違う。
大人の男の人。
「…なんか歩顔赤い」
『…絶対そんなことない』
「…なんかやだ、消毒」
『っちょ、人来るよっ』
「もーちょっと…」
ぎゅぅっと抱き締める力がこもる。
りずには負けるが私もまだまだ颯太離れ出来ないな、こんなことで可愛いと思ってしまうのだから。
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