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■メルヘンチック・グロテスク
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(エログロ注意)



何故女と謂う生き物は須らく下品で愚かなのだろう。

「あっ、あっ、ソコッ、ソコすごいぃ…ッ!!、もっと、もっとちょうだいぃ…ッんあぁあ〜…ッ!!!」


ーーー娼婦の下品な喘ぎ声を聞きながら、おれはボンヤリとそう考える。


船が昼間に街に着いて、夜に散策をしながら街で画材を集めていると、好みの顔の女が誘って来たから、溜まっていたこともあいまって気紛れに抱く事にした。それがつい2時間程前の話だ。
そしてそれから2時間が経った現在。安っぽいホテルの中でシャワーと前戯を済ませた後に只今本番をしているまっ最中なのだが、しかしこの娼婦は異常に股が緩い上におれの嫌いなタイプのニオイがする奴だったので、突っ込んで数十分経つのにイけないでいた。

「(あー、気紛れに女を抱くとこうだからなあ。)」

異性愛者でもあり同性愛者でもあるおれは、頭の中でそんな事を考えながら、自身の下半身の上に跨ってゆっさゆっさと揺れる女の両乳房を眺める。

彼女の乳房は白い陶器のように白くてマシュマロのように柔らかだが、その外見的な美しさの下にはどろどろと沈殿した?のように汚らしい欲望や感情がパンドラの箱なようにコッソリと膨大に蓄えられていると考えると、それだけで陰茎が萎える感覚がした。嗚呼、やはり俺に女は駄目らしい。

「(…もうこの女には飽きたし。イけそうにもないし。…もういいかな。)」

まるでかくれんぼの鬼役をしているかのような言葉を胸中で吐いてから、おれは隠し持っていたダガーを白い女の乳房の上からブスリと刺して、女が息絶える姿を眺める事にした。
おれが彼女の胸をダガーで刺し込めば、彼女の白くて柔らかい乳房から赤い血液が滴り落ちる。痛みからか叫び出した女の叫び声があまりにも煩かったから、おれは女の口の中に指を4本突っ込んだ。すると今度は苦しげに暴れ始めたので、おれは次に女の乳房に刺したダガーを引っこ抜いて、今度は女の喉笛を掻っ切った。ぶしゃあ、と勢いの良いシャワーのように飛び散った赤い血をみて、おれは、白い肌に映えるなあ、と場違いな事を考えた。

「(…まぁでも。いくら女が綺麗でも、やっぱり抱くなら男だし、ローだよなあ。)」

血にまみれたベッドの上で、おれは一人、そう考える。結局欲を吐き出せなかったおれは、最終的にいつも通りのあの美しい男に欲を吐き出す事にして、安いホテルから抜け出す事にした。その前に血まみれの身体が気持ち悪かったから、ホテルで洗い流したけれど、女が付けていた甘ったるい匂いのコロンはこびり付いて落ちなかった。おれはベッドに転がる女の肢体に唾を吐いてから、今度こそホテルを抜け出した。


「ーーーああ、ロー。いきなり悪いが、今日良いだろうか。」
「…てめえ。今日街に行ったんじゃなかったか?、どんだけ溜まってんだよ。」
「いや、やっぱりダメだったからさ。綺麗だったけど女だと思ったらダメだったんだ。」
「……てめえの相手は疲れる。」
「頼むよ、ロー。」


ーーーホテルで女を殺してから船内に帰って来たのち。結局イけず終いで欲の溜まっていたおれは、その欲をどうにか吐き出す為に真っ先にローに会いに行って、ローにそう頼み込めば、気怠げな溜め息と共にやんわり断られた。そう言えば彼を抱いたのはもう2ヶ月も前の話だ。2ヶ月抱かなかったくせに街で女を抱いたのが気に入らなかったのだろうか。「ローが疲れる」のはいつもの事だが、それを理由にしてわざわざおれとのセックスを断るのは何だからしくない気がした。おれは脳内でそんな考え事をしながら、ローを見据える。ローは眉を顰めながらおれに更に言葉を重ねた。


「…一人シてろよ。おれは別にその気はない。」

チッ、と舌打ちをしながらそう呟くローに、やはりおれは首を傾げる。

ーーーおれとセックスする時は何かと分かりやすく理由を付けるローにしては、今日の言い方にはやや回りくどさを感じた。

それにそもそもその気はない時は、用事があると言って逃げるのに(それでもおれがヤりたい時は有無を言わさずヤらせて貰うが)、何故わざわざ今日は「その気はない」と告げるのだろうか。

おれはローの意図が読み取れなくて、なおもローを見つめながら首を傾げる。

するとローは気まずそうに視線をうろつかせながら、深くため息を着いた。なんだ?



「(…?、…、……、あ。)」


…成る程、もしかして、これは。


「(…その気にさせてみせろ、と言う事だろうか。)」

視線をうろつかせるローを見て、そんな考えが浮かんだおれは、口元に少しだけ笑みを浮かべて、彼の唇を貪るようにしてキスをした。

「っ、ン…っ!!」

クチュクチュ、と分かりやすく水音を立てながら、おれはローの口の中を暴く。
歯列を舐めながら口をこじ開けて、舌で奥歯を撫で上げる。それから、舌を捏ねるようにして絡めれば、いきなりキスされたローは少しだけ苛つく顔をしながらも、耳を少しだけ赤らめて瞳を潤ませた。ああ、なんていとおしいんだろう。倒錯的なんだろう。おれはそう思いながらローの口の中を尚も暴いた。


「…っ、は、…ッは…ッはぁ…。」
「どう?、ロー。その気になった?」
「ッしね…ッ!!」
「はは、勃起してるね。良かった。」

長いキスが終わった後に、おれとローの唇を繋ぐようにしてダラリと銀糸が垂れ落ちた。おれはそれを拭いながら、ローの頭を掻き撫でて、ニヤリと笑う。
ローは悔しそうにくしゃりと顔を顰めているが、赤くなった顔はどうやったって隠せはしないだろう。おれは次いで、膨張したローのズボンのチャックをジリジリと下げて、勃起したローの陰茎をパンツ越しからさすった。


「ッひ、あ…ッく…ッ!!」
「あ、気持ちいい?」
「ックソ、黙れ…ッんん…ッ!!」
「大丈夫だよ、ロー。おれが気持ち良くさせてやるからね。」

ローにそう告げてから、おれはローのズボンのベルトを外して、ローのズボンをパンツごとずり下げる。
すると勃起したローの陰茎が現れたのでおれはローの陰茎をゆるゆると撫で上げた。上下に優しく撫でながら、睾丸を揉みしだいて鈴口にキスをする。いっときそうしているとローの勃起した陰茎からカウパー液がダラダラとはしたなく溢れて来たので、おれは心の中で淫蕩だなと思いながらも、ローのカウパー液をじゅるじゅると吸い上げた。濃い潮の味がした。

「ン、ふ…ッ、ンン…。」
「ッあ、ッ…くぅ…ッ…、ッ!!」

そのままフェラに移行して、ローの陰茎を口で弄ぶ。ちゅぷちゅぷ、とわざと音を立ててローの陰茎を舌で舐めれば、ローは恥ずかしそうに目を細めて口元を手のひらで覆った。そんなローの仕草がおれの腹の底にある黒い欲望を酷く刺激して堪らなかったので、おれはローの陰茎を早く達させる事にした。



「ン、ふッ…ンン…フウ、ン…ッ」
「っく、あ…っや、っ!!、あ、っあ、…ぃ、っイ、く…ッ!」


フェラを始めて少ししてから、掠れる様な声でローがそう啼いた。と、同時にびゅるびゅるとローの陰茎から精液が飛び出した。
おれはローの陰茎を咥えていたので、口内射精された訳だが、ローの精液は酷く粘っこくて、あの2ヶ月前以来抜いてさえいなかったのかと簡単に推測できた。そんな事を考えながら、おれはローの精液を口から吐き出して指に塗りたくり、ローのアナに指を当てがう。ローは達したばかりでおれの性急な態度に至極驚いていたが、おれはそんなローに構ってあげられる程余裕が無かった。



「ッバカナマエ、テメェ…っあっ…!!」
「ごめんなロー、おれ、優しく出来ない。」
「っひ、あ、ぁあッ…ッ!!」

ローのアナに指を突っ込めば、ローは辛そうに喘ぎ声を零した。
ああ、この耐える様な声が堪らない。腹の底にぐらぐらと溜まる欲望に耐えている様なこの喘ぎ声が、堪らないな。娼婦共には出せないいやらしさだ。おれはそんな事を思いながら、ローのアナに指を更に深く突っ込んだ。クチャクチャ、と音を立てながら指を内壁に擦り付けると、ちょうどローのイイ所に当たって、鼻の抜けるような嬌声が上がった。ああ、ああ、堪らない。

堪らなく、美しい。

「(…女は、確かに綺麗だ。美しいし、あの白い乳房や曲線美は男にはないものだろう。)」

「(…だけど、このヒクつく喉仏や伏せられた長い睫毛や倒錯的な魅力だって、絵画にしても可笑しくない程度にうつくしくて、いやらしいものだとも思うんだ。)」

そう、絵画にしてそれでマスターベーションしたい程には、うつくしいものだと思うのだ。おれは脳裏でそんな事を呟きながら、ローのイイ所を責め立てた。グチュグチュ、水音が大きくなる。緩くなったアナに本数を増やしてバラバラに指を動かせば、ローは苦しそうに耐えるようにして声を漏らした。涙と汗でぐちゃぐちゃになったローの顔は、もう欲情しきった顔で、おれはそんなローの顔に啄ばむようなキスをした。



「ああ、やっぱり、ッローが1番だね。…ッ堪らないよ。…うつくしい。」
「ッヤってる時くれぇ…ッ、そのうるせェ口は閉じられねェのか…っ?」
「それならお前は、ひどく素晴らしい宝を見つけた時に、ッ無感動に口を閉ざしていられるのか?」
「……ッ残念ながら、おれは、そんな崇高なモンじゃねェからな。」
「ふふ、残念ながら、おれからすれば、…ッお前はそんな宝とおんなじさ。」
「…ッチ…。」


そんな会話をしながら、ローのアナに自分の陰茎を当てがう。「挿れて良い?」と確認するようにローにきけば、ローはヘロヘロになりながらも「はやく、くれよ、」と呟いたので、おれは支配欲と陰茎をブワリと膨張させながらも、ローのアナに陰茎を挿入させた。


「っあ、…っく、うう…っ!!」
「っは、熱…ッ、ローのナカ、すごく、熱いね…っ。」
「ッナマエ、ってめえ…っあ、っ!!」
「っなに、ロー、」
「っわかってんだろ…っ!!、っく……っ!!」
「、なあに?、ロー。」
「ッもっと…ッ奥だ…ッ奥に…くれよ…っんん…っ」
「……うん。良いよ。」

アナに陰茎を挿入してから、浅く突いていたのをやめてローのナカを深く突く。
ズッ、ズッ、とピストン運動を繰り返しながら、そそり立ったローの陰茎を撫で上げれば、ローは吹っ切れたのか声を我慢するのを辞めて、甘い嬌声を上げ始めた。

「あっ、あっ、くっ…っうう…っ!!」
「ふふ、かわいいね、ロー、」
「っくそ、っだまれよ…っん、ふあ…っ!!」
「ふふ、…やっぱり、かわいい…」
「…っしね…っあっ…!!」

ローの嬌声と暴言を聞きながら、おれはローのナカを更に深く突く。ズッ、ズッと突きながらも、時折前立腺の近くをゴリゴリと抉るようにしていじめれば、その度ローはひときわ大きく嬌声を上げて、それから自身の唇をギリ、と噛んだ。

ああ、ローの陰茎が、膨張しきっている。赤黒く腫れた陰茎を見て、そろそろかと思いながらもローの顔を撫でれば、ローはしね、と静かに呟いた。イきたいのかな。笑みを浮かべれば睨まれた。ひどく愛らしかった。


「っああ、イっちゃいそうかい?」
「ふ、あ…っいちいち、聞くな…ッく…っんん…っあ…!!」
「ッねぇ、ロー…ッおれの精液、お前の、ナカに、出して良い?」
「っは!?、っちょ、っま…っや、あ、っあああああっ…!!」


有無なんか言わせなかった。昂ぶったおれはそのままローのナカで射精をした。ドクドクッと欲望を吐き出せば、ローはそれに釣られるようにして自身の腹にぴゅるる、と精液を吐き出した。

おれがローのアナから陰茎を引き抜けば、ローのアナからはおれの白くて粘度のある液体がドロリと零れ落ちる。

同時に果てたらしいローは、ハッハッと吐息を荒げながらベッドで寝そべりながらもおれを睨んだ。しかし涙で潤ったローの瞳にはおれをビビらせるという効力などはなく、ただただ堪らなく性的であるとおれに植え付けるだけであった。


嗚呼、これだからローは。


いとおしくてうつくしくて、堪らないのだ。

おれはそう思いながら、零れ落ちるローの涙を舌で舐め上げながら、ローの目元に口付けをして、彼のうなじをゆるりと撫でた。筋肉のついた首元はお世辞にも女性的魅力があるとは言えなかったが、さきに抱いたあの女よりも何故だがずっとずっと美しく見えて、堪らなかった。


「(いつか、この人を絵にしたいなあ。)」

誰にも見せない絵画にするのだ。おれはそう考えながら、今度は鎖骨に口付けをした。




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芸術家夢主×船長

1万打リクエストの「ローと攻め主」でした。う、上手く書けているのか分かりませんが…またリクエストに添えているのか分かりませんが…楽しく書くことが出来ました。
エロ描写がまた色々と難しくて、これ合ってんのか?、とか思いながらもグダグダ書かせていただきました。でもとても楽しかったです。ローは声我慢の挙句に耐えられなくて最終的に声漏らしちゃうと言う設定にしました、自家発電で萌えました。萌えて下さると幸いです。
ちょっとなに言ってんのかよく分からないと思いますが書き終えた寧々子もテンパってて上手く話せませんすいません。
とにかく一番に言いたいことは、リクエストしてくださってありがとうございました!!!






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