(R18/自慰ネタ)



部室って言うのは、本来着替えをしたり物を置いたりする場所であって、たとえ一人だからと言って決してナニをしたりする場所ではないと思う。そう、決してナニなんかをする場所ではない。

「ふ、ぁ…んん…っあ…ッう…!!」
「……。」
「あ、ッ、ヤバ、…ッい、くぅ…ッ!!」
「………。」

…のだが。

俺はそんな事を思いながら、目に映る光景にドン引きした。

ーーー水曜日、PM7時28分。
最下の迫るこの時間帯に、今週の部室の鍵当番を任された俺が部室に訪れてみれば、眼前には1年レギュラー(小さい方)のオナニーシーンが広がっていた。


「ーーーは、ぁ…ッんん…く…ッ!!」

……いや、なんだこれ。

俺はそんな事を思いながらもボーゼンと1年レギュラー…高尾の背中を見やる。

ーーー不幸中の幸いにも、高尾はこちら側(ドア)に背を向けてナニをしていたので、おおよそ俺の存在は高尾には気づかれていないんだろう。俺はハァハァと息を漏らす高尾の背中を見つめながら、焦る気持ちを抑えてこの状況をどうするか考える。

とりあえず注意しとくか?、…いや、俺なら自分のオナニーシーンを他人に見られたなら注意されるのもやだよな。じゃあソロっと帰るべき?、いやいや鍵掛けれねえだろ。じゃあとりあえずこの場から離れて高尾が出て行ったのを見計らってから鍵掛けるのがいいか?、…うん、それが一番良いな。そう思いながらもコソッとドアを締めようとドアノブを握り直した時に、俺は聴いてはいけない物を聴いてしまった。

「ッ、名前、せんぱ…ッ、ぁ、っふうン…ッ!!!」

「(………は?、え?、俺の名前?)」


俺に背を向けてオナニーしてた高尾が、不意に俺の名前をつぶやいたのだ。え?

「(っやべ、バレた…!?)」

俺は高尾の呟きに対してそう思い、冷や汗をドバッとかいたが、しかし俺に背中を向けている高尾が俺の方に振り返ってくる様子はない。あ、アレ…?、バレてねーの…?、まだ逃げられる…?、とパンクしかけな頭の中でそんな事をボヤいていると、高尾の左手に持っていた物が不意に俺の目について、そして俺はまたしてもフリーズした。

「(………アレ、俺がこないだ無くしたTシャツじゃん…。)」


ーーーなんで高尾が、持ってんの?、と、頭の中で呟いてから、気付いた。

「(………俺のTシャツ、高尾からオナニーネタにされてる?)」

その考えに至ってから、俺は自身の背筋が凍りつくような気配を感じた。


ーーーいや、最近ちょくちょく物が無くなるなぁ、とか、なんか視線を感じるなぁ、とか、思うことはあったけれども。

「あ…っ、名前、先輩…っ、名前せ、んぱ…っんんん〜…ッ!!」

ーーーまさか、部活の後輩から、ストーカーまがいの事されてるとか、Tシャツをオナネタにされてるとか、思わないだろう、フツー。つうか高尾、なんで俺なんかにそんな事をすんだよ。

ーーー俺はそんな事を思いながら、高尾の背中を眺める。
左手に俺のTシャツ、右手に自身のナニを掴んで一心不乱にオナニーをする高尾に、俺はともかくも見なかったフリをするために静かに後ずさる。

音を立てないように、こっそり、こっそり…。

俺はそろそろ、と右足を浮かせて、一歩、足を引いてから、静かにドアノブを動かしてドアを締めようとする。あとはコレをひねって戻すだけだ。大丈夫大丈夫、高尾は俺の存在に気付いていない。大丈夫。イケる。そう思いながら、ドアを閉じようとして、耳に響いた声に俺は硬直した。


「…ね、名前先輩。見てるんでしょ?、ねぇ、…名前先輩?」

どこ行くんですか?

閉じかけたドアの隙間から、高尾のだらしなく笑った顔が見えた。ヌいた後のトロけそう
な顔を俺に見せながら、高尾は立ち上がって俺の方に近づいて来る。


おれは、高尾のそんな所作を見て、あ、コレ終わったな、と思った。


「…ね?、センパイ?」

下半身モロ出しの高尾に手首を掴まれて、俺は部室に引き摺り込まれた。それからさきのことは覚えていない。




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ちなみに高尾が主人公の存在に気が付いたのは、高尾がホークアイの無駄活用をしていたからです。さすがHS。












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