ともかくも起床早々にワケわからん事ばっかにさいなまれた俺は、美人さんから頭を撫でられた事に対する羞恥心をどうにか抑えつつも、状況把握するために動く範囲で周りを確認する。 すると、今いる場所が俺の知らないところだと言うことがわかった。 「…あう…?(…どこだ…?)」 ―――――使い込まれた感じの木製のベッドに、今時珍しい木枠の窓。ログハウスっぽい感じの家屋に、あとそれからこれまた珍しい、レンガ造りの暖炉なんかもあった。 これを見て思う事はただ1つ。ここは俺のアパート(月52000円)の部屋じゃねぇ。 て言うかまずそもそも俺のアパートには暖炉とかついてねーし、部屋改築して暖炉とかつけてもみろ、…敷金がどうなると思ってやがる…。(ぶるぶる) そんな訳でここは俺の住んでいた場所とは違うって事に気がついたんだが、んじゃあなんで俺が今そんな知らない場所にいるかっつーワケって事に意識が傾いた。 俺が一人でに来たワケじゃねーし、そもそも俺はここにいる前はバイトに行こうとしてて………あ? 「あ…あうう…(…まさか…)…」 …バイトに行こうとして、下り坂でかっ飛ばしてたら、いきなりトラックが出てきて…そんで…。 …まさか…、 「(死んで生まれ変わった…とか?)」 俺はそう考えつつも、心の中でおもっくそ首を振った。 お、落ち着いて考えろ…。落ち着いて考えるんだ…俺…!!、…ま、まず俺があの事故で死んだ保障なんか欠片もない。だから…ホントに死んだとはまだ言い切れない…。そ、それに、生まれ変わったとしても、俺の意識がある事自体がおかしいから(だって生まれたての赤さまが俺みたいなのとかだったら怖いじゃん!?)、多分なんかの夢だと思う!!、夢だと思うよ俺!!! そう考えて俺は自分の気持ちを落ち着かせつつも、頭のはしっこで「いやでもホントに生まれ変わってるんなら、俺が今、口が上手く動かないのにも身体が上手く動かないのにもつじつまが合うんだよな」とか考えて結局萎えた。 ………え、まさかホントに生まれ変わったとか…? |