ーーーそんなこんなになりつつも、ミカサと初ケンカをしてから、次の日。 明日になったら忘れる理論で、朝起きてからマイエンジェルミカサたんに話しかけようとしたら……。 「…あ、ミカサ、おは…」 「(ぷいっ)…」すたすたすた 「………。」 …相変わらずのムッスリモードでシカトされてしまった。 う、うわあああこれガチで怒ってるやつじゃないの!?、ガチで怒ってるやつじゃないの!?(大事な事なので二回言いました。) い、今の状況をありのままに説明すると、俺、マイエンジェルにあいさつする→マイエンジェル、俺のあいさつをシカト→マイエンジェル、シカトしたままリビングに向かう …こ、これはマジで昨日の一件で俺を毛嫌いしてるんじゃないのか!? だって生まれて初めて妹からこんな仕打ち受けたんだもの!!、やべえんじゃねもしかしてミカサたん俺のこと嫌いになったんじゃね!?、えっマジでそんな事あったらお兄ちゃん生きてけないんだけど!! うわあああああああと思いつつも、頭を抱えて膝から崩れ落ちるように項垂れていれば、何分か経った後にキッチンに居た母さんから、「カスガ〜、ごはんよ〜早く来なさ〜い!」と俺の心情なんかこれっぽっちも知らない様子で呼ばれたので、俺は無言のまま立ち上がってキッチンへと向かった。 ーーーミカサたんが俺をシカトし始めようか、それで俺が傷つこうが、それでも世界は回るのである。 そんな事を思いながら。 ーーーそして、それからというもの。 俺が訓練兵団に行くまでの3ヶ月もの間、ミカサたんは俺から避けるように行動し始めて、俺がエレンやアルミン(最近エレンに出来た友達だ。こいつはテンションガン上がりになった際のエレンの抑止力になるところがあるので俺は内心こいつを凄く頼りにしている)と遊んでいても、以前はミカサたんも一緒に遊んでいたというのに、ミカサたんだけは俺から避けるように一緒に遊ばなくなった。 その分エレンが「カスガ兄ちゃん遊んで!!」と可愛らしく(こいつホントになんだよ天使かよくそッ)俺に構ってオーラを出してくれるので心に吹き荒ぶ寂しさは少しは緩和されているものの、それでもミカサが俺をシカトするのはどうにも寂しいものがあって。 「(やっぱ、ミカサの為にも行かない方がいいのかなー…。…いやいや、ミカサの為をおもうのなら、心を鬼にしてでも行くべきなんだけどさぁ…。さすがに…シカトはね…?)」 ーーーとうとう、明日がこの家から離れると言う日になって。 俺はミカサたんからシカトされ続ける事に耐えられなくなりつつあったため、そんなアホみたいな悩みを抱えていた。 いや、ホントこんな悩み、はたから見たらすげえバカみたいな悩みだなって思うし、他人からそう思われても否定出来ないよ?、事実俺はミカサバカだし。(ドヤァ) でもね、俺はミカサの事、生まれたときから知ってんだ。 いや、もっとちゃんと言うと、ミカサが生まれる前から、いや俺がココで生まれる前から。……俺が前に居た世界の時から。俺は、ミカサの事を知ってたんだ。 ーーー家族をなくす可哀想なヒロイン。それでも超人的な身体能力を有する、特異なヒロインーーー。 ーーー温度の無い、紙面上では俺はミカサに対してそんなイメージでしかなかったけれど。 ーーーこの世界に生まれ変わって、そしてこの世界で初めてミカサを見た時。ミカサの声を聴いた時。ミカサの体に触れた時。 ーーー俺は、ああ、このこは生きているんだと。 ーーーこの子はこんなに暖かい温度をしているんだと、改めて分かって、そしてそれに気付いたときに、どうしようもなく泣きたくなったんだ。 俺がこんな事言うとウソみたいに聞こえるだろ?、でもこれマジなんですよね。 それから俺はミカサが堪らなく愛おしくなって、そしてその時に俺はこの世界を、この生まれ変わりを。ホントの意味で受け入れられたんだ。 …だから、だからミカサさんからシカトされるのが割とガチでつらたんだったりするんだけど…。 「(…気持ちを強く持て、カスガ=アッカーマン。…ミカサの事を考えるのなら、訓練兵団に行くのが一番だろ?、そうだ、現実から逃げちゃダメなんだ…。逃げちゃダメだ…逃げちゃダメだ…。)」 頭の中で某碇シンジ君のようなセリフを呟きながらも、俺は、朝食を取る為にリビングに足を向ける。 あー、最後の最後までミカサにシカトされて今日を終えるのかなぁ、なんて思いながらキッチンへと向かうドアを開けると、そこにはモジモジとした様子で俺の席のそばに立っているミカサと、ニヤニヤ笑顔の父さんと母さんがいた。……な、なんだこのシチュエーション…。 ーーーーーーーーーーーーーーーーー 09.19 アルミンがエレンの抑止力うんぬんというのは、エレンはカスガの事大好きだからカスガを見ると「お兄ちゃんFoooOOOO!!!!」みたいな状態になるのが常なんだけど、それをアルミンが「いやエレンそんなにテンションあげんのやめようよお兄ちゃん引いてるよ?」的なあれそれでエレンの暴走の抑止力になってくれているという分かりにくい説明。(´・_・`) |