―――――お母さんとイェーガー先生のいた部屋からエレンを連れ去り、ママンが診察するまでガキ3人であそぼーって事で、3人でさっき俺とミカサがいた部屋に戻ってきたんだけど。 「…よっと、」 「……?」 とりあえず俺の首にくっついていたミカサをおろし、まだ顔をあわせていなかったであろう、エレンとミカサをご対面させる。 するとミカサはエレンを見るなり、じいいっと見つめて動かなくなった。……おお、もしかして初恋が始まるのか!? 「(…。)……にーたん、これ、だれ?」 「ああ。コイツは、オレがさっき言ってた、ミカサの友達のエレンだ。あいさつできるか?」 まぁ、マイエンジェルは最終的にエレンにヤンデレになるもんな…(確か)。 こんなん俺が言わなくても挨拶するか。 なんてタカをくくっていたのに。 「………やだ。」ぷいっ 「……………。」いらっ 「(……………ハイ、詰んだ……。)」 な、なんでだよマイエンジェル…!! なんでエレンに挨拶したくないとか、そんな事言っちゃうんだよ…! いやお兄ちゃんとしては、いずれお前はエレンとアハンウフンし出すんだろうからあんまり仲良くなってほしくないなぁとか小さい事思ってたけどさ…!! 俺の提案(エレンに挨拶しようか)を丸無視で、ついでにエレンをチラ見しただけでまた俺に抱きついてくるってお前…。 …いやマイエンジェル可愛いよ…?、すげえ可愛い。頭撫でて高い高いしてあげたいレベルには可愛いよ…?、でもさ…。 …これはエレン不憫すぎるだろ…。(ざわ…ざわ…) な、なんかヘンな空気なってんじゃん…。 エレンなんか分かりやすいからさ、目に見えてイライラし始めちゃったじゃん…。どうすんのコレ…。 とりあえずミカサがエレンに(なぜか)取り合ってくれないので、俺は今度はエレンから話しかけて貰うように頼んでみた。 「え、エレン。コレがオレの妹、ミカサ。仲良くしてやってくれ。」 「…やだ。おれ、おにいちゃんがいい。」 「(うわぁ…俺、人生初のモテ期到来だよ…)」 …けど、なんか俺のモテ期が来ただけで、ミカサとエレンは未だに自己紹介すらままならない感じになった。 ……えええ…(前世通算)人生初のモテ期がロリ(妹)とショタ(推定3歳)の狭間でせめぎあわれてるって……。 なんだろうこのやるせなさ…。モテてる筈なのに…。な、なんか切ないぞ…。 ……ま、まぁでも妹(マイエンジェル)から好かれるのは嬉しいし、ショタ時代のエレンは可愛いから(言っておくが、俺はショタコンじゃない。断じて。)、全然バッチコイ(友人的な意味で)なんだけどさぁ…。 「…にーたんは、あたしの。」 「おまえのじゃない!!、」 「あたし、にーたんのいもうと。あんた、かんけいない。ヘン。じゃま。かえれ。」 「なっ!?、なんだよそれ!!、ってゆうかおまえ、おにいちゃんのいもうととかってゆってるけどなぁ、そんなの、おまえがいもうとってゆうののほうが、ヘンだぞ!?」 「ヘンじゃない!、フツー!、ほんとのこと!」 「うそだ!!、だっておまえ、おにいちゃんと、かみのけのいろも、めのいろもちがうじゃん!!」 「っ!!」 「きょうだいならフツーソックリになるはずだ!!、おれのとうさんもそうゆってた!!」 「……でも、いもうと。」 「ちーがーうっ!!、ぜってーウソだ!!」 「ウソじゃないもん!!」 ……な、なんだコレ…! 俺がちょっと考え事している間にロリとショタがガチで口喧嘩おっ始めてるとか…!!っちょ、おまっ、あ、遊ぶ所の話じゃねーじゃん…!!! ロリショタ同士仲良くしようよ!!、お兄ちゃん超オロオロしちゃってるよ!?、情けなっ!!、お兄ちゃん情けなっ!!、ちょ、マジどうすりゃいいの!? あっ、で、でも、と、とりあえずは事態の沈静化をはからねばだよな…!! …ってか、マイエンジェルとエレンは何の話で盛り上がってたんだ!? なんかマイエンジェルミカサたんが俺の妹だとか妹じゃないとか話してたみたいだけど…いや妹だよ!?、確かに髪の色も目の色も、俺とマイエンジェルは全然違うけどさ、それでもマイエンジェルは俺の妹だよ!? 内心そんな事を呟きながらも、俺はポーカーフェイス(と言う名の目だけバタフライ)をして、仲裁に入るためにエレンに言葉を返した。 「…み、ミカサはオレのいもうとだよ。」 「ショーコは!?、お兄ちゃん、ショーコは!?」 ……と思ったけどまず仲裁に入れなかった。 「(しょ、証拠!?泣)…え、えっと…。」 出生届!?…は、違うな、アレは手元にないし…、…保険証…も、この時代にはないよなぁ…。 俺とマイエンジェルが法的に兄妹って認める為には、王政府が持ってるであろう住民票みたいなのをエレンに見せなきゃいかんのだろうけど、こんな事にわざわざそんな許可とれないしなぁ…。 うーむ、どうしよう?、そう考えて黙りこんだ俺の横で、ちょっと嬉しそうな顔をしたエレンが、「ショーコないの?、じゃあちがうじゃん!!」とか言ってたのでちょっとマジでテンパった。ちょ、ちょっとお兄ちゃん考えてるだけ!!、証拠あるにはあるよ!?、だからそんな事を荒立てるような事は言わないd……、と思っていたら、エレンが鬼のようにテンションが上がっている横で、マイエンジェルが………、 「…にーたん…。…わたし、にーたんのいもうとじゃないの…?」 …まままままマイエンジェルがぁああ…!!! ああああ、ちょっ、え、うわぁ、す、すげえ涙目になってるぅうう…!!! やだもうどうしよう!!、泣かないでマイエンジェル!!、ちょっ…とりあえずエレンお前許すまじ!!、俺の…俺のスーパー激カワ昇天メガMIX盛りレベルに可愛い妹を泣かすなんて…!!!、お、お前なんか将来コボちゃんみたいな髪型の人類最強に掘られてアーッ♂しとけばいーんだ!! 世の腐女子と呼ばれる皆さんにニヤニヤされながら見られてたらいーんだ!! 俺のミカサを泣かすエレンは違う意味でなかされてしまえばいーんだ!!(爆) そんな八つ当たりじみた事を考えつつも、とにかく泣きそうなミカサを落ち着かせる為に、俺は自分の頭の中に沸いてきた即興の言い訳で真逆のベクトルにあらぶる二人を落ち着かせる事にした。 と、その前に今にも泣き出してしまいそうなマイエンジェルを抱き寄せる。 調子乗ってハグとかしてごめんなぁああ!!とか心底思いながらも、俺はミカサとエレンに、ポツリポツリと言い訳を始めた。 「……べつに、きょうだいに、証拠なんか、いらないだろ。」 「「………?」」 「オレが、ミカサのこといもうとって思ってる。」 「…ミカサもオレのこと、兄ちゃんと思ってる。」 「ただ…それだけでいい。」 「それが、証拠になる。」 だから、ミカサ、泣かないで。オレはおまえのおにいちゃんだよ。 そう言ってミカサの頭を撫でれば(セクハラマジすまんホントすまん訴えないで)、ミカサは俺の言葉に納得してくれたのか、すんげえ笑顔になって(ぐうかわ。マジ俺のミカサぐうかわ。)、にーたんだいしゅき!!と言って俺に抱きついてくれた。…こ、これがホントのだいしゅきホールドってか…!!(爆) そんなアホな事を思いつつも、ほのぼのとマイエンジェルと兄妹愛を深めていると、なんか今度はエレンが泣きそうな顔をしていたので、俺はまたテンパった。ななななななんで次はお前が泣きそうな顔してんですかエレン・イェーガーくん…!! ――――――――――― だいしゅきホールドを知らない人は大百科か支部の辞典かアンサイでも見てください。 しかし今回はBL的な発言が多かったかな…。 |