小さな頃はどうやってあいつと喋っていたんだっけ。小さなあいつと俺は確かそれなりに仲が良かったはずだ。桐乃が生まれた時のことは今でも忘れない。幼いながらも俺はこいつの兄貴なんだと強く思った。そしてこいつを守るんだと誓ったんだ。

それなのにあいつが小学生の高学年になった頃から俺はあいつと話さなくなった。いちいち態度にムカついたりもしたが、しょうがねえからと納得して今まで生きてきた。

だからあいつのひた隠してきた趣味を知った時は驚いて少しだけ苦しくなった。同じ家に住んで居るのに、隣の部屋で暮らしていたのに、あいつはずっと一人で自分の趣味を誰にも言えずに居たってのか?


(…だけど)

あいつは俺を頼ってくれたんだ。バレかけたからとはいえ、どんなに勇気が要っただろう。だから俺は桐乃の、大切な妹の為ならば、


「親父、あいつの趣味を認めてやってくれ!!!」


全力尽くしてやろうじゃないか!




(俺の妹はこんなに可愛いんだ)

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誰得?
いや、だって…兄妹っていいじゃない。

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