賑やかな支部の中でしんとしたここにもう何回やって来ただろう。数年前の惨劇をアタシは一度だって忘れたことはない。

「今日はバクの誕生日だぜ?アイツもでっかくなったよなあ…」


昔から忙しいバクの両親の代わりに面倒を見てきたけれど、あいつらが死んでからバクにはアタシしか居なくて。
守り神がどうして両親を守ってくれなかったのかと責めれば良いのにアイツはそんなこと絶対にしなかった。そしてそんなアタシの存在意義を理解してくれてアタシに守らせてくれる。だからアタシは壊れてもバクを守るんだ。


「…なんだ、ここに居たのか」
「バク、」

きっとあの事件があったこの部屋にやって来るのは辛いはずだ。どことなく顔色が悪い。

「父上と母上に誕生日の報告だ」
「もうそんな年じゃねーだろ」
「何をっ!?」
「…それに」

もうアタシが報告したよ

バクはとっくにアタシより大きくなってて、強くなっていた。アジア支部が襲撃にあった時だって、助けに来てくれた。

「まあ、本当は向こうが余りに賑やかでちょっと疲れたんだ」
「そうか」

「…というか、」



「フォーに祝って欲しかったんだよ」


ああ、アタシは一体あと何回コイツの誕生日を祝えるんだろう。アタシは壊れても直るから、バクが居なくなるその最期まで…
願わくば一回でも多くバクの誕生日を祝えますように


「なんだ、珍しくしおらしいな」
「うるせぇやい!」


(おめでとうありがとう)

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愛理さまへ!
バクフォーリクエストありがとうございます^▽^楽しんで書かせて貰いました!そのわりに…シリアスですが…!!
フォー視点はあんまり書いたことが無かったので新鮮でした。良かったら貰ってやってください!




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