「なあ、女。お前コイツに惚れてんのか?」
リンが寝ている間中暇な俺は頭上の木に居る女に声をかけた。がさっと大きな音がして女が下りてきた。

「変な事を言うナ、落ちるダロウ!」
「はははっ分かりやすい奴だなお前!」

お面を付けていても分かる。多分今相当焦ってんだろう。馬鹿な女だ。俺がパッとお面を奪うと案の定真っ赤な顔が表れた。

「やめ、」
「お前、耳まで赤いぞ?」
「…〜ッ!!!見るナ!!」

「…こんな顔若にハ、見せられなイ」
「心配すんな見てんのは俺だけだ」

そう言えば、女はホッとしたように笑った。オイオイ、不意打ちかよ。いくらリンじゃないからって油断し過ぎだろう。というか俺を信用し過ぎだ。リンもこの女も。

「…おい、女」
「女ではなイ、ランファンというのダ、ホムンクルス。」
「ソレを言うなら俺もグリードっつー名前がある」
「…グリード」
「おう、ランファン。」

おかしい。たかが名前なのに、コイツが言うと違う。他の誰が呼ぶのとも違う。

「ランファン」
「グリード?」
「…いや、なんでもねえ。」

枯れない欲望が一瞬満たされた気がした。まあ、気のせいだろうが。


(その声で満ちる)

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真山さまのリクエストで糖度高めなグリランでした。私の中ではかなり糖度高めにしたつもりだったんですがそうでも無いですね…(^o^);
最終回間近でやけにグリードが「ランファン」って言ってて「お前らいつの間にそんな仲良くなったんだよ!」と思ったのをよく覚えてます。グリ→ランマジうめえ!

素敵なリクエストありがとうございました♪



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