▽亡念のザムド


もえるように咲いていた花が、突然枯れた。
ああこれはあの人の命なのだろうか。
枯らさないでくれよ、と呟いた口形を今でもはっきりと覚えている。綺麗な青色の瞳も、目の下の黒子も、あの耳も、手も、足も。決して忘れられない。

彼が死んでしまうような気がした。
もう戻って来ない気がした。

だから怖くなって、近づいてくる唇に手を添えて止めた。

叶ってしまったら、いけない気がした。


「続きは今度、ですよ中佐。」
「…………、」


あの人はあの時、何かを言いかけて止めた。


(大丈夫、必ず戻ってくるわ)
(あの人が帰って来てまず最初に会えるように)
(迷わないように)



(私はここを動きませんから)


ドン、と銃声がきこえた。



(ああ、中佐。あいしています)




(散る、花)
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垣巣中佐×スカッキ補佐官…好きなんですけどねえ…マイナーすぎ…(^_^;)





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