リンがどれだけこの女を愛しているかは痛いほどに分かっていた。俺の中に居座っているリンが今にも意識を乗っ取ろうとしているのを俺はずっと感じていた。

「駄目だと言われれば余計に手を出したくなる、」

それが<強欲>。作り物の俺に植え付けられた悲しき人間の性。それを俺が否定すれば自分自身を否定することになる。

(だから俺は)

それを受け止める事にしたんだ。
この女が、リンの女が欲しい。ひどく欲しい。

「俺の女に、なれよ」
「いや…」
「なれ、」
「…っ、」

顔も身体も、全く同じじゃないか。黙ってりゃ誰も俺だと思わない。俺はもう「俺」ではない。俺自身は消えてしまった。


「お前ハ、若様ではなイ!」
「お前ハ、グリード…ダ!」

女が叫んだ。
初めて呼ばれた名前に目を丸くする。俺はまだこの世界に存在しているのか?


「フッ…ハハハハハハハ!!」
「なんなんダ!お前!」
「気に入ったぜ、女!」


やっぱりコイツが欲しい。




(欲する者と与える者と、)

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原作は相当グリ→ランだと思います(フィルタ装着済み)






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